【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第14章 世界を見る旅
『覚えてません。今度からお酒は控えますね。』
「そうしてくれると助かる。」
『もう頃合いなので、私は他のところに行かねば…』
「ん? どこ行くんだ? 仲間になりにきたんだろ?」
『いえ…そうですね。当てのない旅…です。』
「ふーん…俺たちは海賊だ。同じような旅をしてる!自由を求め、欲しいものは奪い取る!当てのない旅…か!俺んところでしろよ!」
『……』
「行くあてもないんだろ?」
「いいじゃねェか! 俺たちと海賊しようぜ!!」
「おまえがいれば宴が楽しくなるぜ!!」
みんな口々に誘いの文句を言ってくれる。が、私は…
『もう少し1人でしてみたいんです。いろんな街でいろんなことをしてみたい…それこそ普通の女の子のように!』
「…そうか。」
「残念だぜ…」
『そう言ってもらえるだけで嬉しい。元敵なのに。』
「敵って言っても過去だろ?今は友達だ!あ、間違えた!! 俺の女だ!!」
『…女にも嫁にもなりませんけど、ありがとう。シャン!!』
「ッ!!!!!! 反則だ…ッ」
シャンクスは昨日と同じような真っ赤な顔をして、下に蹲み込んでしまった。
「万が一にでもおまえのその首が俺たちの重荷になるなんて思うなよ。」
『ベック…』
「そうだぜ!! 俺たちはもとより賞金首!海軍にははなから狙われてんだよ!」
『ルゥさん』
「そうだ! おまえ1人くらい守ってやるよ!」
『ヤソさん…』
「な? 俺の仲間はいい奴らだろ?」
いつの間にか復活していたシャンクスにすごくいい笑顔で言われたらこちらも顔が綻んでくる。
『うん! みんな大好き!!』
「…お、お、おい!! 聞いたか!!!アンが俺のこと愛してるって!!」
「「「いや、言ってねェよー!!!」」」
『ほんと都合のいい耳ですね…尊敬します。』
「やめとけ…そんなやつ尊敬するとクソになるぞ。」
「そりゃいい!!!クソだってよ!!!」
「あははははッ!!! クソか!!!」
周りに賑やかな響いた。その声を掻き消さないようにベックが耳元で話してきた。
「おまえ…男がいるならあんまりお頭をその気にするなよ。」
『へ???』
「ん? 夢に出るほどいい男なんだろう?」
『誰の話?なんのこと?』
「昨日寝言で言ってたのさ…エースってな。」
『あァ…それは「なにィ!!! 男だとー!!」…いや…あの!』