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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第14章 世界を見る旅


Side.Ben・Beckman

「おッ、寝た。」
「おい、ベック! 俺に代われよ!」
「お頭…起きちまうぜ。」
「この野郎ッ」

警戒心を剥き出しにした猫…いや、犬か。お頭は俺に倒れてきたアンに相当参っちまってるようだ。

「それより、こいつ…酔っ払ってんのな。」
「あァ、てっきり顔色もかわらねェからザルなのかと思っただぜ。」

みんなそれぞれに言葉を発しながらも、少し寝顔を覗きにくる。そのあどけなさと言ったら、年相応のものだった。それより、こんなところで警戒心もなく眠り呆けちまった元海軍中将ってのもどうかと思うがな。

いつものようにタバコを蒸しながら、膝を貸してやる。

「おい、ベックーー、頼むよー」
「うるせェぞ、脳内花畑お頭。」
「おまえ、たまに毒吐くよな」

お頭の言葉を軽くスルーして…“そろそろ宴も終わりか”と静かになってきた周りを見るとそこらで寝はじめていた。

「こりゃ…今夜はお姫様のお守りだな。」

お頭も不貞寝をしたようで、静かになっていた。

『ん…エース……』

一言聞こえたその言葉にざわめきを覚えた。

「なんだ、男がいるのか…あんまり、お頭を誘惑してくれるな。」

俺は気配に敏感になれるように、神経を研ぎ澄ました。




『ん…んー重い…』

体を持ち上げようとすると、掴まれている…いや包まれていると言う感覚…重い。思いまぶたを開けて昨日のことを思い出そうと頭をひねる…そして目の前には肌色の何か。

『は?』

女らしくない声が出たと思う。目線を少し上げて上を見ると、そこにはなぜいるのか…赤い髪。

『ん? 私…なに。え?』
「クックックッ…そんな顔で見上げられるとキスしちまうぞ。」
『……蛟玉(みずちだま)』

シュッとシャンクスの顔の横を蛇のような水の塊が通った。

「ッえ?」

その頬にはうっすら切り傷が残っており、シャンクスは少し青ざめた顔をしていた。

『もう一回…喰らっときますか?』
「い、いやいや冗談だって!!わかってんだろ??」
『…冗談って言っていいことと悪いことがあると思うんです。』
「わ、わりィ!!」
『まぁ、今回はなにもしてないようですので…』

周りにいた水の蛇たちはバシャンッも音を立てて消えていった。

『ふぅ…どうやら昨日は面倒をかけたようですね。』
「なんだ、覚えてんのか?」
『いえ全く』
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