【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第1章 思えば始まりはいつも…
Side.Ace
「あいつは…アンは…もう戻ってこないよ。」
「何ッ!!?!」
「あいつは…海軍になるって出て行ったんだ。ガープの野郎と今頃船の上だろうよ。」
俺の頭には衝撃が走った。最近、俺たち3人を見ていただけだったのは、話や狩りについてこなかったのは、距離を置いて離れようとしてたのか。
俺たちとルフィがもう大丈夫だと思ったから…
「ど、どういうことだッ!?おいエースッ!!!」
「アンにもう会えないのかッ…ぁあ…ぐッ…」
焦るサボと泣き始めているルフィ。
「なんで言わなかったんだ…ッくそ!!!!」
俺は怒りに満ちていた。何も言わずに黙り続けたダダンたちに、何も言わずに去ったアンに、そして、何も気づかなかった自分自身に。
「お前たちには絶対言うな…それがあの子の希望だったよ。言うと寂しくなる、止めるでしょって言ってたよ。」
その言葉を境にルフィは泣きじゃくった、サボは混乱の様子を見せた。俺だって同じだ。
「なんで、言ってくれねェんだ…兄妹だろ…俺たち」
俺の言葉は虚しく闇に溶けていた。静かとも言い難い夜だった。
船に乗って、1週間が経ちやっと海軍訓練場にたどり着いた。
「お前さんは、訓練生の中で1番若いからな。馬鹿にされるじゃろうし、蔑まれるじゃろう。そんな時は……じいちゃんのところに来るんじゃぞ!!」
「「「過保護か!!!」」」
『大丈夫だよ!訓練生も頑張るね!早くおじいちゃんとところに行けるように!』
「いい子じゃァー!!!待っとるからなー!」
船で帰っていくおじいちゃんをみて一礼し、校舎に向かった。ここは弱肉強食の世界…女だからと負けてはいられない。
「それでは、第3756期海軍訓練を開始する!!!」
「「「はッ!!」」」
敬礼の姿勢を示し、今訓練はスタートした。
「大丈夫ですかね、アンちゃん。」
「女の子ですしね…」
「だっーはっはっはー!!何を心配するか!!あいつはわしが直々に鍛え上げた孫じゃぞ!!すぐに出て、わしの元にくるわい!!」
ガープの笑い声高らかに本部に帰還して行った。