【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第14章 世界を見る旅
ちょうど飛んでいたニュースクーに小包を頼み、それを海軍本部元帥宛に匿名で送った。
『信じてるよ…センゴクさん。おじいちゃん。』
1つ目の用事が終わった私は、もうだいぶ暗くなっていたので船を操る力を止めて眠りにつくことにした。見張りはしなくても、海が何かあれば知らせてくれるだろう。
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『島だ…』
何日か海を漂い続けて着いた島…そこはかなりの吹雪いている冬島のようで、風がすごかった。あと寒い。
『うーん、上陸できるのかな。』
服はたくさん持っていたので、多く着込んで島へと近づいていく。
島の近くに停泊している海賊船らしきものを見つけた。すごく見覚えのある船だ。
『なんで…こんな偶然あるもの?』
赤い竜の船首…海賊旗に書かれているドクロマークには左目に3本の傷。船の中の気配をたどろうともそこには数人しか気配がなく、おそらく見張りだろうとおもった。
小舟を赤い船の隣に結びつけ、岸に降りる。初めてに近い深い雪に少しワクワクを覚えた。そして踏み締めて歩きながら、多くの気配があるところへ足を向けた。
ざくざくっと雪を踏み潰してなる音がすごく心地よかった。何十分か歩いた頃…洞穴から歌が聞こえた。賑わう人の声も。
『また、宴会してるのかしら。』
気配をうまいこと消しながら、穴は近づいていった。
「お頭ー、いつまで泣きながら飲んでんだよ!あの娘っ子のことは諦めろよ」
「いーや、あいつはまだ生きてるね!!」
「生きてたとしても犯罪者だぜ?」
「それは俺たちも同じだろう!!」
「にしても海に落ちたんだろ、死んだんだって。他の奴らは死体で見つかってるって言うじゃねーか。」
「いやだ!!俺は信じねェ!!俺とあいつは心も身体も繋がってんだ!」
ゴクゴクと酒を煽る手を止めない。これはかなり酔っているとみた。
「おいおい、飲み過ぎだって…」
「俺ァ、傷心中なんだよー!なァ、ベック」
「うるせェ…絡んでくんな。」
「つめてェなぁ、相変わらず!だぁっはっは!」
「で、本当に死んだと思ってんのか。お頭。」
「…いや…俺は死んでねェとおもってる。」
いつに泣く真剣な声となったシャンクスに、一同は静かになった。
『あってますよ。死んでませんよ』
「だよなー!!……え?」
「い、今の聞こえたか!!」
「ま、まさか幽霊とか!?」
『失礼ですね。』