【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第13章 気持ちの果てと未来へ
「そういうことじゃ…ゆっくりするが良い。もてなそう…客人。」
『ありがとうございます。傷が治り次第お暇します。それまでよろしくお願いします。』
「其方…名はなんと申す。」
『遅れました。元海軍大将付き補佐官 ポートガス・D・アンと申します。 先ほどの新聞を見た感じ私は海軍を辞めた存在の様ですので、アンと呼んでください。』
「ふっ…噂は聞いておる。 今日は疲れているだろう?
ゆっくり休むがいい、話はまた後日だ。」
ハンコックはかかとを翻し、部屋を出て行った。2人の姉妹も引き連れて…ただ1人、部屋に残っている人物がいた。
「其方…本当にここに書かれているようなことをしたにょかの。」
『にょん婆様でしたか…全ての真実は正しいとは限らない様です。私は…正義を掲げて仕事をしていました。が、今はその海軍の裏切り者です。生きていると知られれば私は間違い無く処刑となるでしょう。』
「ならば其方はどうするというのだ。」
『今回仲間を多く失いました。私のせいだとあいつは言っていた。確かに私がいなければ彼らは死ななくて済んだかもしれない。でもそれは結果論に過ぎない。わたしは…あいつらを許さない。必ず見返してやりたい。死んでいった仲間たちに報いるように。』
「それが其方のすることか? そのあとはどうするにょにょ?」
『そうですね…海軍にはもう戻れそうにないので…次は自由を求めてみようかと。』
ニカッと笑って、海賊を楽しそうに語る兄弟たちの顔が浮かんだ。
そうか…彼らにもこの訃報も届いているのだろうか。
『怒ってるか泣いてるかだろうなぁ…』
「にゃにかいったか!?」
『いえ、懐かしいことを思い出していただけです。他に聞くことはありますか?にょん婆様。』
「いや、ない。変なことをするでないぞ。ここは女帝の治める国、アマゾンリリー。国民は全て女であり、彼女らは一人一人が戦士じゃ。気をつけよ。」
『承知しました。』
それだけを言うと、にょん婆は満足したようで部屋をすぐさま出て行った。
わたしの道は間違っていたのだろうか。海賊王の子供というだけで本当に生きる価値がないのだろうか。わたしが生きる理由は、一体なんだろう。
『それを探す旅ってのも楽しそう。』
復讐と自身の価値を探す旅…うん。いいね。いろんな国をみよう…いろんな人に会おう。それが目標。