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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第98章 しばしの別れ


『だって…だってッ!』

私はこの世にエースと生まれた時にお母さんを亡くした。その時にすでにお父さんは他界していたし、子育てをしてくれたのはフーシャ村のマキノさんや、コルボ山のダダンだ。

一生結婚なんてしない、子供なんて産まないって考えた時もあった。でも、マルコと出会って愛し合って…できたこの子。

『私…お母さんになれるのかな』

愛情を知らずに生まれ育ってきた私がこの子を愛していけるのかわからなくなっていた。

「大丈夫よ、アンちゃんなら!」
「マルコ隊長やエース隊長を愛するようにこの子を愛してあげたらいいわ」
『ッうん!』
「でもどうしましょうか、このまま黙っとくのも。」
『いや、黙っててほしい。マルコが帰ってきてから1番にマルコに伝えてからみんなに言いたいの』
「…そう…でも、それまで無理はしないようにね」
「体調不良だってみんなに言っておくわ」
『…ありがとう、リアス、ナース長』
「マルコ隊長にはしっかりパパになってもらわないと!」
「そうよ!」

2人はきっと可愛いであろう我が子を先に想像してキャーキャーと楽しそうに会話していた。話も終わったので今日は絶対安静ね!と言われてしまい仕事をハルタたちに任せて自分の部屋に戻った。

『お母さん…私、もうすぐお母さんになるよ。ちゃんと育てられるかわからないけど…守り育ててみせるよ』

部屋から見える窓から空に向かって小さくささやいた。

ーーー
自覚してからは無理はしないようにした。みんなは体調不良だと思っているので「無理しないで」と優しい言葉をかけてくれる。

「アンちゃん、体調どうよ」
『何とか…眠いのにもだいぶなれてきた』
「そうか、まさかマルコがいなくなってから体調を崩すなんてな」
『怒られるね』
「何やってんだよいって??」
『そうそう』

サッチはマルコがいなくなってからもかなり頻繁に来てくれて話相手になってくれている。

「心配なんでしょ」
『えっ?』
「さっきから全然笑えてないよ」
『…っ』
「顔にものすごく大きく行きたいって書いてあるよ」

サッチは人の何倍も感情を感じる力でもあるのだろうか。

「もう1週間くらい?」
『うん。』
「よく我慢してるよ」
『うん』
「親父には俺たちがついてるからさ、マルコとイゾウの様子見てきてくんない?」
『え??そんなことできないよ』
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