【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第98章 しばしの別れ
「連れてきました、ナース長」
「わかったわ、リアス」
部屋にはナース長とリアスの2人だけ、どうやらデュースはどこかへいってるようだ。
「ねぇ、アンちゃん、いくつか質問したいんだけど構わないかしら?」
『もちろん、ナース長』
「では、まず…マルコ隊長と情事をする際はゴムとか避妊はなさってます?」
『…っえ!?…あ、いや』
「正直に答えてくださいまし」
『…してないです』
「全部中に??」
『っはい…』
「やっぱり…」
『え、なに?やっぱりって』
「じゃあ、最近やけに眠たそうにしてるのは寝不足?」
『いや、ちゃんと夜は寝てます…でもそれでも昼眠たくて…』
ナース長は少し気難しい顔をしながらスラスラとカルテを記入している。
『なんなんですか?』
「顔色から貧血ね、それに倦怠感もあるんじゃない?」
『なんで、』
「じゃあ、最後の質問ね、最後に月のものがきたのはいつ??」
『…っ!』
ナース長が聞いてきた質問…流石の私でもわかる。意識してなかったわけではないが…よくある不調だと思っていたのだが…まさか。
『……2ヶ月間きてません…』
「やっぱりね…あんなに毎日毎日してたんだもの…おかしくないわ。アンちゃん、あなた…妊娠してるんじゃない?」
グサっと胸を刺されたようだった。おかしいとは思ってた。こんなに月のものが来なかったことはなかったから。でも、勘違いだと勝手に頭で考えていたんだ。
『…ま、まさか』
「何言ってるの?って顔してるわね、でも覚えがあったのね。」
『ッ!』
「はっきり言いましょう、アンちゃん、あなたマルコ隊長の子、妊娠してますわ」
『っ!!!』
ふと目に入ったお腹、そこにはマルコとの子がいる。最近の不調も充分頷けるものだった。
「…まさかこんなに早く…なんて思っても見なかったけど…。おめでとう、アンちゃん。」
『…ナース長…』
「おめでとう、アン」
『リアス…ッ』
2人は少し怒っていたようだったがおめでとうと言うと緊迫したら雰囲気が柔んだ気がした。
「まだ大事な時期だから無理しちゃダメよ。」
『…私…産んでもいいのかな』
「当たり前じゃない!」
「マルコ隊長も喜ぶわよ!」
2人にそう言われると緊張していた糸がキレてボロボロと涙が溢れた。
「どうして泣くのよ」
「おめでたいことなのよ?」