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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第98章 しばしの別れ


マルコ達が旅立ってから数日…隊長2人の急な不在で対応に追われており、私たちはまだ船を出せてなかった。

「アンちゃーん、あれ、また寝てんの?」
『んー、なんか、眠たくて…』
「疲れてんの?」
『そう言うわけではないんだけど…』
「夜あんまり寝れてないんじゃない?」
『…そんなことはないはず…でも、広い部屋に1人ってなんか寂しいなーってなったし思ったり』
「そんな茶化さなくていいから、寂しい時は寂しいって言っときな?」

コトリと机に置かれたコップからは甘いココアの香りと暖かい湯気が出ていた。

「無理しないで、休んでいいんだよ?」
『でも…』
「でも話!俺たちがマルコに怒られちまうぜ」
『ん、また今度甘えさせてもらうね…』
「体は慰めてあげられないけど…話くらいは聞いてやっからさ!」

きらりと効果音が高そうなウィンクをしてサッチは仕込みに戻って行った。

「アン、忙しいところすまないが宝がたまってきてるから確認してくれ」
『ナミュール…ごめん、すぐ行くね』

今は次回航海にむけて、お金を貯めている最中だ。とは言っても海賊船がそう都合よく襲ってくることが毎度あるわけではないので、私の力で深海に落ちている宝を探し、ナミュールを筆頭に回収してもらっている。

「すげェ、ザクザクだぜ」
「こんだけあれば俺たち一生遊んで暮らせるんじゃね?」
「アン副隊長様々だよな」
『そんなくだらない話してないで、仕事してね』
「「「アン副隊長…!もちろん!」」」
『最近の新人はおしゃべりだね』
「本当に全然動かないとかもあるんだよね、鬼のマルコがいないからだよ、きっと」
『ハルタも手伝ってくれてたの?』
「当たり前でしょ?もっと頼ってくれていいんだよ」
『ありがとう!』
「顔色悪いんじゃない?大丈夫?」
『ちょっと寝不足と貧血なだけ…大丈夫だよ』

サラサラと宝の箱の数を数えてそれを記入していくと、ヒョイっとバインダーとペンを取られてしまった。

「ここは僕がやるから、若先生のところかナースたちのところ行っておいで?」
『ハルタ…』
「ほらほら!!」

そう言ってハルタは私を船内に追いやった。

『そんなに酷い顔してるかな…』
「えぇ、だいぶ。」
『え、リアス!?』
「ちょっときて!大事な話があるの!』

私はリアスに手を引かれて医務室に向かった。
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