【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第97章 ※突貫工事※
トンカントンカンと木槌を使う音が響いている。
「アン副隊長!」
『…え、あ。ごめん、どうしたの?』
「眠いんすか?」
『疲れてんのか…寝ても寝てもねむいんだよね』
「もうできましたよ、お部屋」
さすがうちの船大工集団は優秀だ、少し甲板にいただけで出来上がる。予定していた時間より幾分も早い。
『うわぁ!ありがとう』
部屋も2部屋分なので広く、内装もおしゃれにしてくれたようだ。
『すごい、本当にありがとうね』
「大したことないっすよ!」
「じゃ、俺たちこのあと寝るんで!」
どうやら寝ずに改装をしてくれていたみたいでみんな心身疲れ切っていた。おやすみなんていうとみんなひらひらと手を振ってから部屋へ戻って行った。
『そう言えばマルコは…どこ行ったんだろう?』
船の中で見聞色で使ってもどこにも感じない。
『ってことは島か。』
寝不足な頭を起こして、船を降りて村の方へ歩いて行く。
「ゴロニャーゴロニャー」
目の前をでっかい猫が歩いてるような気がする。いや、気のせいだ、間違いであって欲しい。
「ん?ユガラ…マルコという男を知らんか?」
『マルコ?マルコに会いにきたの?』
「そうだが、どこにもおらんでヨォ、困っとったんじゃ」
困った困ったという割に顔はニコニコしており、敵意は全くないようだ。
『いいよいいよ、一緒に行こうか』
見聞色で見つけたマルコの元に大きな猫、ネコマムシさんと歩いていたが、歩数の違いが気に重なったのか私を肩にちょこんと乗せて歩いてくれた。
『怪我しているみたいだけど大丈夫なの?』
「アァ、こんなの傷にやぁ、にゃらんよ」
『そうなんだ、マルコと何を話すの?』
「昔の話と、ちょっくら頼みがあって」
『そっか…ほらあそこだよ!』
私の指差した先には折れた木を椅子代わりにして座りまた町を眺めているマルコの姿があった。
「おお、ガルチュゥゥ!!」
ネコマムシは私をそっと地面に下ろすとガルチューと言ってマルコに突撃していった。
『ガルチュー??』
聞きなれない言葉にあたまをかしげながら2人の様子を少し後ろから見ていた。どうやら何かを頼みにきたらしいネコマムシはマルコは困ったような顔をしていた。
「あぁ、アン…来てたんかよい」
「おぉ、さっきの忘れておった!」
「ここ座れよい」
そういってマルコは木を叩いた