【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第97章 ※突貫工事※
『ん、今行く』
急いで甲板に向かうと、島を眺めているマルコが立っていた。
「大変だったよい」
『お帰りなさい』
引っ張りだこにされたんだろう、服も乱れているし、子供達に遊ばれたのか髪も少し乱れている。
『ふふっ、ぐちゃぐちゃだね』
「ここの奴らは元気すぎるよい」
『マルコが治療してあげるから元気なんだよ』
「そうかよい」
甲板に触ると、ゴロンと寝そべって膝枕をしてきたマルコは本当に疲れているんだろう。
「悪いが少し寝るよい」
『ん、おやすみなさい』
つけていたメガネを外し、胸元にかけるとマルコはそのまま静かに目を瞑った。
『この風は、どこからきたのと〜♫』
最近聞いたウタの歌だ。たまに口ずさむと海が喜んでいるのかチャプチャプと船を揺らす。心地いい揺れに私自身もうとうとと目を瞑ってしまった。
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Riase side
今回の島は戦うことなどあり得ない、ゆったりとした島なのでみんなそれぞれ好きに過ごしていた。私は自室で本を読み、ご飯でも食べに行こうと外に出たのだけれど…
「これは…ふふっ」
甲板でマルコ隊長が膝枕されていて、アンちゃんも寝てる。
「絵になるわぁ!」
急いで部屋に帰り、映像でんでん虫でこの光景を録画した。
「色々あって大変だったけど、今は幸せそうで本当に安心したわ…アンちゃん、心からおめでとう」
映像でんでん虫をそのままカバンに入れて、2人が静かに眠っている甲板から流石に立ち去った。
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Marco side
少し肌寒く感じて身じろぎをしつつ起きると今にも倒れそうな体制で寝ているアンが目に入った。
「疲れてたのかよい」
まぁ、そりゃあんなに毎晩愛し合えば…疲れるか。なんて自問自答を繰り返して今寝ているアンをそっと抱き抱えて壁にもたれる。
『んっ。」
起きたかと思ったが身じろぎをしただけだったみたいだよい。
もう少しこの愛おしい顔を眺めていたいことだし、まだ寝かせておくかよい
船内奥の方から聞こえるトンカチ音はきっとまた船大工チームが船を修理しているんだろうと気にも止めなかった。
「今日は寝かしてやるが明日からはまた頼むよい」
なんて冗談を言うと少し顔が引き攣ったような気がするが気のせいにしておくか。
「ふぅ…明日もいい天気になるだろうなぃ」