【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第96章 ※何度も※
「悪かったよい」
『悪かったじゃないの!!立てない!』
「でも、あんな姿を見て止めれるわけないだろい?」
マルコは悪びれもなく言ってくるが、本当に腰は痛くとても立ち上がれそうにないのだ。
『ご飯とか仕事とかどうしよう…』
「俺が持ってきてやるよい、仕事は今日は休めばいいよい」
『そんなこと言って…』
「大丈夫だから…な?」
頭をポンと叩かれて笑いかけられてしまえば何も言えなくなる。
『次からは加減してね』
「考えとくよい」
『もぉぉ!!!』
「朝ごはんをとってくるから待っとけよい」
マルコは逃げるように外に出て行った。私は布団の上で座っている。服は昨日マルコが着せてくれたのか朝起きた時には着てたし、体のベタベタもなくなってた。
『ちゃんと後処理はしてくれてるんだよね』
ベットのシーツももちろん変わっているし、部屋が散らかってるなんてことはない。
『優しいんだけど…できる男なんだけど…やり過ぎなんだよね!』
「そうだよなー、昨日は外まで声漏れてたぜ?」
『……え、エース』
「よ、起き上がれないって聞いたから見舞いにきた!」
『外まで聞こえッ!』
「そりゃあんな声出してたら聞こえるだろうな、今日がゴミの日でよかったぜ、みんな部屋からティッシュのゴミ出してくんの」
『…もう外出れない…なんなら船でしない』
「そりゃ無理だろ、お前ら夫婦なんだろ?営みってのは大切だろ?」
エースが珍しく饒舌でまともなことを言ってる…というか外で聞かれてた上におかずにされてたなんて…。
『恥ずかしくて死にそう…』
「ま、次からは声気をつけろよ!」
ニカッ笑うエースにはゲンコツして、部屋から追い出した。
「エースが外で水浸しになってるが、なんかしたのかよい?」
『デリカシーを教え込んだ』
「そうかよい」
『ねぇ…これから船でしないってのは「ないねい」…だよねェ』
「周りに聞こえてるからって気にすることないよい」
『私は気にするから!』
「なら部屋に防音の工事でもするかい。」
『いいね!そうしよう!』
「これで遠慮なくできるねい」
その笑顔が本当なのか冗談なのかはわからないがゾクリト背筋が震えたのはいうまでもない。動けなくなってしまった1日、わたしはみんなに合わせる顔もなく、というか合わせられないので避けながら部屋に篭った。