【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第12章 直接対決
Side.Sengoku
「どういうことだ!!!」
「いえ、だから…アン元中将か横領や賄賂を受け取っていることを確認しましたので処分しました、と。ジェント中将から報告が…」
机を思いっきり叩いた。大きく響く音に部下が怯えていた。
「まさか…こんなことになるなんてッ!」
「どういうことじゃ、センゴクよォ」
「ガープ…」
ガープから発せられた声はあまりにも冷たく悲しいものだった。
「報告を聞いた通りだ。アンくんは裏切り自害をしたようだ。海へ投げ出されてその部下数名も行方不明になっている。」
「わしの孫が裏切っておったと…言っとるんかッ!!」
「そうは言っとらんッ!!だが、消えたのは事実だ!!」
「わしは…孫を…失ったのか。」
珍しく辛そうな顔をしている友人に、私は何を言えようか。
ガープは何も言わずに部屋を出て行った。
「詳しくアン中将と部下の遺体の捜索をするんだ!!」
「「「「はっ!!!!」」」」
「げ、元帥…遺体がっ!!ラック軍曹を始め、部下数名の遺体が海岸に!!」
「何ッ!!!どんな状態だ。」
「それが…損傷は亡くなったときの傷以外なく、海を流れていたとは思えないと医師たちが…。」
大海の天使…か。よくやってくれた。部下をここまで守って運んでくれたんだな。
「…感謝する。遺族と埋葬の準備を!!遺体の確認向かう!」
「「「はっ!!!」」」
その日の号外も、マリージョアだけでなく世界全土を震わせた。
【アン元中将の部下…マリージョアに!!!】
【遺体に損傷なし!!!】
【泣き喜ぶ家族!!真相はいかに!?】
Side.Garp
「アン…お前はわしに恩返しでもしようとしてたのか。お前たちを育てた時から決めていた。海軍になれば必要とされると思ってたんじゃ…お前が裏切ったとは思えん。優しい子じゃ…わしは生きる意味を教えてやりたかった。なんで…なんで…わしより先に…ッ!!!生きてッ、生きていたら…なんとでもなるッ!!そう言ったじゃろうてッ!! バカモンが…ッ」
ぐっと酒を煽る…死んだものが帰ってきたのもお前のおかげなんじゃろ。なぁ…本当に逝ってしまったんか…!
お前は生きてて良かったと胸をはれるか…
じいちゃんと家族でよかったか…
「答えてくれ…アンッ…」