【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第91章 リゾートアル島 5日目
「私は、仕事を投げ出すなって何回伝えたかしら!?」
「ばい、ずみばぜん」
目の前で繰り広げられる少しだけ戸惑いを感じたがすぐにいつもの日常を思い出させた。
ーエース!!てめぇ!!ちょっとそこに座れ!!
ーうわ、わりぃって!!
ーふざけんな!!今回はゆるさねぇ!!
『ふふ、やっぱりサボもエースもルフィも似すぎ』
「久しぶりだな。大海の天使。」
サボたちを見ていると声をかけてきたのは、フードをかぶった大男。
『お久しぶりです、ドラゴンさん。』
「死んだと聞いていたが?」
『死にました。でも、戻ってきました』
「そうか。ここは偉大なる海グランドラインだ。そんなこともあるだろう。」
『ルフィたちと同じで結構考え方が大雑把なところもあるんですね』
そう言うとドラゴンさんはムッと黙ってしまった。
『サボはこのまま置いて帰りますね。仕事が溜まってるんでしょ?』
「まぁな。革命軍のブレイン的な位置にある男だ」
『また、会いにきてねと伝えておいてくださいね』
「あぁ」
ドラゴンさんに別れを言うとまだ怒られているサボを尻目に海へ飛び降りた。“うわっ”と叫んだ船員が下を見ていたところを見ると彼らは新人なんだろう。
『また。』
ゆっくりと波を作ると革命軍の船の向きを変えた。
〔行こう。〕
〔僕たちが送るよ〕
さっきのイルカたちがまた顔を出してくれた。背中に乗って海へ潜る。
『ありがとう。』
沢山の荷物を手に待ち船に戻る。海の底から見る白い鯨は島の近くにおり、その上ではまだ明るい炎が灯っていた。
『ありがとう』
〔またくるよ!〕
〔今度は遊ぼう?〕
イルカたちは海へ帰って行き、私は船に戻った。
「グララララ…今度はどこに行ってやがったんだ?」
『ただいま、親父様!』
「心配かけんじゃねェぞ。」
『ごめんね、今日は空島に行ってきたんだよ!』
「「「空島!?!!」」」
周りで聞いていたのか、家族たちは大声を上げた。
「本当にあったんですか!?」
「どんなところでした!?」
「宝は?伝説のお宝は!?」
『順番に話すって。』
お土産を近くに置き、島にあったことを家族に話すとみんなは目をキラキラさせていた。これが海賊ってもんよね。
「グララララ!!こりゃいい。空島の酒か?」
『うん、飲みすぎないでね!』
「俺にゃ、いい薬だァ!グララララッ!!」