【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第91章 リゾートアル島 5日目
やっと余裕ができて、周りをゆっくりと見渡した。そこはいつも近くに青く広い海とはまた違う、一面の白。
「これが空の海…白海か。」
『はくかい?』
「あァ…俺も来たことはなかったけどな。一応調べてはいた。空島には700m地点にある白海と、1000m地点にある白々海があるらしい。登った高さ的に…」
『ここは最下層の白海ってわけね。』
「さすが、アン」
『で、島は』
そう言ってサボの方を見ると、さらに上を指差していたサボ。
『まだ上ってことね。』
「そう言うこと。じゃ、行くか」
サボは再び私の腰を掴むと、自身の能力を使ってさらに飛び上がった。そして、かなり上空に上がった時、またドフッと音を立てて雲の中に潜り込んだ。
沈んでいくサボを引き上げると、海面から顔を出した。
「にしし、役得だな。これ」
『何を馬鹿なこと言ってんのよ。ったく…』
次の海は同じように白かったが少しだけ光景が違っていた。サボの後ろに見えた大きな島。島と言っていいのか、雲に覆われているその国。
「スカイピアだったか?」
『うん、』
それはルフィが自慢げに話していた空島の話。
ーアンッ!知ってっか?空には国があってよ!そこには黄金があって、変な鳥がいて、土があった、神がいた!
ーうん!
ー今度は俺が連れてってやるからな!
そう言って自慢げに笑っていた弟の顔を思い出した。
「なに、笑ってるんだ?」
『いや、なにも!』
サボを連れて白々海を歩いて空島スカイピアへ上陸した。
「うわ、ふわふわだな。」
『歩きにくい。』
土とはまた違った感触に歩きづらさを感じていると、スーと小さく鳴き声が響いた。
『ん?』
椰子の木のようなものの影にちょこんと体を隠しているその生き物は狐?のような容姿だった。
「なんだこいつ。」
『空島独特の生き物だね』
「彼女は雲ギツネのスーですわ。青海人の方ですね。へそ」
ギツネの後ろから現れた女の人は妙な髪型をしていた。
「『へそ?』」
「あぁ、スカイピアの挨拶です。ふふ」
『そうなんだ。』
「街に行きたいんだが、どこに向かったらいい?」
「街ですか?では、そちらにある階段を登っていってください。」
『ありがとう、名前を聞いてもいいですか?』
「私はコニス。」
『ありがとう、コニスさん』
礼を言うと、サボと一緒に歩いて行った。