【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第90章 リゾートアル島 4日目
船に戻ると、甲板は静かで親父様が一人で酒を飲んでいた。
「グララララ…帰ってきたのかァ?」
『うん。』
「お前も大変だなァ…男をとっかえひっかえしてるからそうなるんだ」
『そんなことしてないよ』
大きな盃をグッと煽るように飲んだ。それをみた私は酒瓶の酒を操り、盃に流し込んだ。
「酌でもしてくれるのかァ?」
『…最近親父様とも話してなかったような気がするから』
「グララララ…俺ァ、元気な姿が見れればそれでいいがなァ」
『私も。』
親父様とゆっくり話すのは久しぶりでエースのことやサボとの過去なんかも話した。
「グララララ、で?マルコとはいつできんだ?」
『へ?』
「隠せると思ってんのかァ?グララララ」
『いや、別に、そんなんじゃ』
「まぁいいが…幸せになれよォ?」
下を向いて、頭を撫でてくれる親父様は少し弱々しく見えた。
『親父様?』
「ん?」
『何かあった?』
「俺ァ、昔から欲しいものがあってなァ。それがお前ら、息子や娘たち…家族だ。俺ァ、長く生きた。あとは最愛の娘が幸せになる姿を見るだけだなァ」
『そんな寂しいこと言わないでよ。親父様にはまだまだ船長してもらわないと…白ひげ海賊団が回らないよ?』
「グララララ!それもそうだな!」
少しだけモヤッと出てきたが灰色の感情。まさかとは思っている。
『親父様、長生きしてね』
「あァ。」
盃で飲むのがめんどくさくなったのか、酒瓶に直接口をつけてゴクゴクと豪快に飲んでいた。
『じゃ、部屋に戻るね』
「あァ」
まだ甲板で飲むんだろう。でも、眠くなってきた私は一人部屋に戻った。
『まさか…もう寿命が来てるなんてことは。』
「何一人でぶつぶつ言ってんだよ。」
独り言のように呟いた声に帰ってくる言葉に後ろを振り向いた。
『サボ!』
「おう、書類も終わったからな!明日の話でもと思ったんだが…取り込み中か?」
『ううん、そんなことはないんだけど。』
「アン?」
あの時の親父様の顔がどうしても消えない。何か覚悟を決めたように海を見ていた。
「おい、何かあったのか?」
『寿命を見る力が欲しい』
「は?」
近くにいたサボは目を点にしていた。そしてすぐに理解したように話し出した。
「白ひげさんになんかあったのか?」
『…別に何かってわけじゃないけど。気になることがある』
「そうか。無理すんなよ?」