【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第90章 リゾートアル島 4日目
コンコンと叩くような音に目が覚めた。
「おーい、アンちゃん」
『サッチ?』
まだ覚醒しきってない目を擦りながら、扉を開けた。
「おはよ。」
『うん…おはよう』
「今日は俺とデートだからな。準備してくれよ?」
『そうだったっけ?』
「おいおい。俺は行きてえ所とかないけど。どこかある?」
『んー、特に。』
「なら、飲むか!」
『えー、朝から?』
「いいじゃんいいじゃん。さ、準備してよなー」
サッチは私を部屋へ押し戻すと、そのまま扉をパタンと閉めた。仕方なしに服を着替えて外に出ると、サッチは1人でニコニコと笑みを浮かべていた。
『気持ち悪い』
「ひでェな!!ま、いいか。行こうぜ」
腕をグイッと引かれて、モビーを降りる。まだ人の出入りもかなり少ない。朝早すぎる時間なのだろう。
『どこ行くの?』
「さぁ?」
グイグイと引くものだから、どこかに目的があるのかと思った。
『なんで走るの?』
「別にー」
何を答えてもニマニマ笑いながら、あいまいに返すさっちに少しいらっとした。
『もう!』
「お、いい酒場発見!行こうぜ」
サッチがさらに引っ張る力を強めて、酒場に入っていった。
「朝っぱらから飲めるなんて最高だろ?」
『私も飲んでいいの?』
「え、あ…そうか。忘れてた。俺としては大歓迎だけど?」
『いや、ジュースにしとくよ』
「朝飯ついでにゆっくりしてこうぜ?」
サッチがいくつかご飯を頼んでいた。普段からだらしないサッチが御飯時は目が変わる。
「ここの飯は今後の参考になりそうだ。」
『ふふ』
「なんで笑ってんだ?」
『いや、サッチってご飯のことか、女の人のことしか考えてないな〜って思って。あ、あと家族のこと』
「そうだな〜、1番はやっぱ家族と飯だな。女の子たちも好きだけどよ、やっぱり家族には変えられねェし!」
『そっか。私も一緒!』
サッチは普段おちゃらけている所しか見ないが、実は根はかなり真面目で、いつだって家族のことを思ってる。
「お、きたきた!」
机いっぱいに並ぶご飯にさすがに頼みすぎでは?なんて思ったけど、想像していたよりも美味しくてご飯はどんどん進んでいった。
「んで、マルコとは何する予定なんだ?」
『へ?』
パスタを食べている時にいきなりかけられた声に手が止まってしまった。
「6日目、マルコなんだろ?何するんだ?」