【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第89章 リゾートアル島 3日目
『え…』
一つだけカップがすごい勢いで回っており、中に誰が乗っているのか分からないような感じだ。消去法でいけばマルコたちなんだけど。
「エ、エース…ま、回しすぎだよい!!」
「おりゃ!そりゃ!!」
「いけいけ!もっとやれ!!」
どうやら、マルコ以外の2人が調子に乗っているようですごい勢いでハンドルを回しているんだろう。
『可哀想に…』
「ゲロが飛んでこなきゃいいけど。」
『ハルタは冷静だよね』
「そう?それに回るのとか落ちるのは慣れてるからね」
確かに海賊をしていれば、メインマストから落ちることや、大きな船から落ちること、渦に呑まれること、持ち上げるような海流に乗ることなんてザラにある。
『そりゃそうだね。』
ガチャンと止まったコーヒーカップ…ゆっくり回していた私たちはなんの問題もなかったが、マルコ、エース、サボの3人は顔面蒼白という言葉がお似合いだろう。口元を押さえて気持ち悪そうだ。
『あんな人たち、他にはいな…い、っていた』
そこには大の男が顔面蒼白で支えられて立っていた。赤毛の男が。
「あれ…」
『うわ』
「まじかよ」
「運が悪いようだ」
「うぇー、気持ち悪ィ」
「二日酔いの癖に調子乗ってグルグル回すからだ。」
「だーっはっはっは!!馬鹿じゃねえのお頭!」
「わ、笑ってやるなププ…可哀想だろ!」
『わー、よく見ればちゃんと周りにお守りがいたー。』
「近寄らないに越したことはないな」
「そうだね、さっさと行こう」
みんなでゾロゾロと移動すればすぐに目立つのはわかっている。なんしかこの顔のスペックが高い男たちが6人もいるのだ。
「ちょっと、あの人たちかっこよすぎ〜」
「声かけちゃう?」
「おい、あの女、めっちゃタイプ!」
『貸し切りにって頼んだけど、流石に遊園地はそうもいかなかったようだね』
「あいつら、アンのこと狙ってやがる」
『はいはい』
彼らを避けて歩いたはずなんだが、なぜか前からやってくる赤い髪の集団。
「お、アン〜!!」
『うわ、見つかった。』
「おれにわざわざ会いにきたのか?言ってくれれば迎えに行ったのによー!」
「お前の目には俺たちは映ってないのかよい」
「マルコもいたのか!あとその他も!」
「ついでみたいに言われたぞ?」
「喧嘩売ってのかこいつ」
『やめなさい!ったくもう!!』