【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第88章 リゾートアル島 2日目
『ちょっ!イゾウ!これは…やっ、め!!』
「じゃ、頼んだぜ?」
「お任せくださいな。」
お茶が終わるとイゾウは私の手を引き、花屋敷と書かれている店の裏手に回った。そして、店のものに金を渡して私を預けた。
「おまんさん…えろぉ可愛ぇ顔してはるわ〜」
「ほんま…ええ顔。」
「仕立て甲斐ってもんがあるねェ」
『いや…あの…や…やぁぁあ!!』
来ていたものは全て剥ぎ取られた。お化粧も髪の毛も独特でとても綺麗な服を着ているお姉さんたちは、私を同じように仕立て上げた。
「しぃろい顔に、赤い唇は花魁の基本やよ?」
「肩もこれくらい見せ…あら…あなた刺青を…」
『あぁ…』
「任しとき…消しといたるでお化粧で」
パンパンとお化粧で自慢のマークはことごとく消されていく。足首見えるところだからと言う理由で消されてた。
「こりゃ、化けたもんどす」
「ほんに…可愛らしゅう」
「ここを見てみぃ?」
小さな鏡を向けられた。その中に映っているはずの自分の姿はあまりの違いように自分でも開いた口が塞がらない。
『これ…私?』
少しだけ日に焼けていた肌は白くなり、唇は映えるような赤…髪も結われてあげてありつけていた簪が刺さっている。赤やオレンジと言った暖色をメインにした着物。見えているはずの鎖骨や足首には刺青の影は全くない。
「これなら…てっぺんとれるわ〜」
「あんさん、花魁狙ろうてみんか?」
『それはいい。私は…』
「できたかい?」
バシッと横開きの扉が音を立てて開いた。その先にはイゾウが煙管を持ち立っていた。
「こりゃ、驚いた。ほんとにアンか?」
『そうですけど…』
「ククク…中身はそのまんまだな。話し方も少しは習うといい」
『ほんに…そう思います。でいいかな?』
「さすがだな。」
「隊長はん?赤髪はんと白ひげはんの所に連れてったらえぇんやろ?」
「あァ」
「任しとき。」
「頼んだぜ?」
イゾウはそう言うと、“違う部屋から見てるから”と言ってどこかへ行ってしまった。
『ま、面白そうだからいいか。』
「ほら、行くよ?」
『わかっとります』
変装には慣れているが、この間になってからは初めての事で、それに着ている服もいつもと違う。ふらふらとしてしまったこともあるがなんとか前を歩く女の人について行った。
「あんさんは、水李と名乗り?」
『はい』
「ほな、行くよ?」