【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第88章 リゾートアル島 2日目
いつものように差し込む朝日。今日は少し暖かく頭を撫でられるような感覚に目を覚ました。
『ん…イゾウ?』
うっすら目を開けるとそこにいたのは黒髪の和服を着たイケメン。こんな人はうちではイゾウくらいしか思いつかない。
「あァ…おはようさん」
『…早いね。』
「今日は俺が服を決めるって言っただろう?そこに置いてあるからな」
指差される先には椅子にかけられていた綺麗な和服。
「浴衣って言ってな。俺の国じゃ夏はあれを着るんさね」
『へぇ〜』
ベッドを降りて、かけられていた浴衣とやらをまじまじと見る。白地に青い小さな花が散りばめられており、帯というものは真っ青で海の色だ。
『可愛い…でもイゾウがなんで持ってるの?』
「お前さんのために買ったのさ」
“どこで”とは聞かなかったが、きっと故郷とかから取り寄せてくれたんだろう。
「とりあえず着方を教えるから自分で着付けするさね」
『え、こんなの無理だよ?』
「俺に下着姿をみられてもいいってことならやってもいいが?」
『いや、それはちょっと…。わかった、やる』
部屋着の上から着方を細かく教えてくれた。
「帯は俺がやるからな…とりあえず下だけは頑張れよ」
そう言って部屋を出て行ったイゾウ。エースだったらここに残って後ろ向いてるからとか言ってそうなのにイゾウはそういうところがしっかりしていて助かる。
なんとか四苦八苦しながらきたが、やはりうまくは行かない。着崩れてる…。
そう思っていたら、ガチャリと扉が開いた。その先にいたのは、リアス。
「もう…イゾウ隊長に呼び出された思えば…浴衣も着れないの?」
『はい…ごめんなさい』
リアスは後ろ手に扉を閉めて、“脱いで”とただ一言言った。言葉だけでも怒っているのがわかったのですぐさま浴衣を崩した。
「全く…そもそもその下着じゃダメよ。この間買ったやつにして。」
『え、あのひらひらしたやつ?』
「そうよ?早く」
言われた通りにクローゼットからこの間買った下着をつけた。
「ほら、姿勢をしっかり正して…」
ピンと背筋を伸ばすとリアスは手早く浴衣を着付けて行ってくれた。
「ここを引っ張らないとシワがよるのよ。」
『はい』
リアスのおかげもあり、なんとか浴衣を着ることができた。
「できたかい?」
「えぇ、完璧ですわ!」
髪までセットしてもらった。
「いくか。」