【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第87章 間話 Side.Marco
アンとエースが慌てて出て行った朝の食堂。正直気が気じゃなかったのは言うまでもない。
「マルコ、だったよな。顔、怖いぜ?」
「うるせェよい。革命軍の小僧」
「サボでいいぜ?アンとエースの“家族”だからな!好きに呼んでくれ」
わざとかよい。
やけに強調された“家族”の言葉。俺たちは確かに“家族”と言い海を渡ってきた。だが、血の繋がりがあるわけでも、盃を交わしたわけでもない。
「…そうだねい。お前も“義兄貴”だからな。歓迎してやるよい」
仕返しのように“義兄貴”を強調して言ってやると目を点にしていた。
「なんだよい?」
「あんた…クククッ、意外とおもしろいな。エースとは違って色々頭が回りそうで厄介だよ」
「なんの話だか分かんねェよい。」
「そうか?ま、俺は5日目の約束だからな。しばらくは仕事に戻るか…とは言っても書類くらいしか持ってきてないけどな。エースの部屋借りるからなー」
「勝手にしろい」
自由なところはあの双子や弟とそっくりじゃねェか…。
「んで、うちの長男様はなんでそんなにみけんにシワ寄せてるわけ?」
「…別に何にもないよい」
「どうせ、エースとアンの行動が気になって仕方ないってところさね」
「あとは…着いて行きてェってところか?」
ニヤニヤと笑顔のサッチはいつものように蹴りをかましておいた。珍しく茶を飲んで菓子を食ってるイゾウはこちらを目を細めて見ていた。
「クク、嫉妬深さは相変わらずだな。アンの肩につけた虫除けもお前さんだろう?」
「…気付いてたのかよい」
ったく、こいつは頭の回転が速いから、こう言うときは敵にしたくねェんだがよい。
「逆に気付かないとでも思ってたのかい?」
「まぁ…それはないけどよい。」
「なに?!なんの話!?」
「気付いてない奴もいるみたいだねい」
「そうさね」
「だからなんの話だよー」
「フランスパンは知らなくてもいいことだよい」
「んなにぃ!?」
サッチはいつものようにぐちぐちと言ってくるが無視して朝食を進めた。
「あのマークもおまえさんのだろ?」
「あのマーク?」
「ほら、足首に彫ってあるやつだよ。見てないのか?」
「足首?そういえば見てないねい」
「なかなかいいマークだったな」
イゾウはまたニヤリと笑っていた。マークは確かに気になるよい。
「また後で見るかねい」