【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第86章 リゾートアル島 1日目
「な!直ってるだろ!?」
そう言って自慢げに胸を張るエースはかなり朝早くからマルコの部屋に突撃するごとく入ってきた。
『…ふわぁ…』
「聞いてるのか!?」
『うんうん聞いてる』
今の時間はまだ夜明け前…いや、ギリギリ太陽が出てるくらい。しかも直っているという部屋の壁は穴が所々見える。サボは床で完全に寝落ちている。
「な!だから、行こうぜ!」
『うん、わかったから。寝よう…眠いから。』
「おう」
エースの手を引いてベッドに入ると私に行くと言われたことが満足なのか…すぐに眠りついたエース。
『…ったく。』
エースが抱きついていて動かないので、3匹を呼び出して、サボに布団をかけた。
〔主人様、兄妹とはいえ…同衾はどうかと…〕
〔うむ、それはそうだ〕
『はいはい…眠いから、戻って』
パシャンと消えていく3匹を見終わると眠りについた。
Side.Sabo
エースが無茶苦茶に壁に打ち付けた板を剥がしては張り替え、剥がしては張り替えを続けていたが、最終的には俺もさすがに疲れたので、張り替える作業をやめた。
「はー…だりィ」
いつのまにか外はもう明るくなってくる感じがあった。
「おっしゃ!!アンに言ってくる!!」
そう言ってエースは隣の部屋に消えていった。すでに床に落ちていた俺はいつのまにか意識を飛ばしていたようで、ふと感じた冷たいものとかけられた暖かいものに意識を戻した。
「…猫」
起こした体で目線をベッドに向けると、本当に兄妹かと疑うこの2人。いびきをかいてるエースの横で抱きしめられて寝ているアン。
「ずりィ」
シングルベッドにどう考えても3人なんて寝れるわけがねェ。冷静な頭だったら誰でもわかるが…この時の俺は眠気と嫉妬でどうかしていたんだろう。
無理やりにエースの反対側に寝転んで、アンに後ろから抱きついた。
『んー…』
女独特の柔らかさに別の何かが起きそうになったが、エースの顔を見て必死に沈めた。
なんか…昔に戻ったみたいだ。昔はルフィも間にいたし、こんなに場所は狭くなかったけどな。
少しだけ腕に力を込めると、アンが少しだけ近くなったような気がして気分が良くなった。
「アン…」
俺はアンの存在を近くに感じながらゆっくりと眠りついた。