【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第85章 リゾートアル島 前夜
Side.Ace
話は少し遡り、俺はサボと2人で酒を持ち込んで、語り合ってた。
「…で、ドラゴンさんがいたから俺がここにいるってわけ。」
「ふーん…」
「でも、俺こないだこっそり聞いた話なんだけどよ。」
「あァ…」
酒が入ってるせいか、サボはいつも以上にスラスラとよく話す。
「…俺を助けたのは海だ…あの子が彼を救ったんだろう…」
「は?」
「ドラゴンさんがイワさんとそう話してたんだ。」
「海って…」
思い当たるのは1人しかいない。だが、そんなこと…
「いやちょっと待てよ…サボが海で撃たれたって聞いた時…アンはゴアに帰ってきてた。」
「本当か!?」
「あァ…海軍コートを着て俺たちに会いにきてた。」
「そうか…じゃあ…」
“知ってたのか…”なんて小さな声が聞こえた。サボは記憶がなかったとアンが言っていた。その時から会っていたとも。血は違えども惹かれる兄妹の絆があったってことだな。
「ま、よかったな!」
「…そうだな。アンには礼を言っても文句は言えねェからな!」
「あん時から俺らも成長したよな〜!俺誰よりも強ェしな!」
「何言ってんだ。昔からエースより俺のが強かっただろ?」
「はぁ!?!サボこそ寝ぼけんなよ!百戦勝負俺のが勝ちが多かっただろ!?」
「馬鹿言うなよ。俺だ!」
「俺だ!!」
と、まぁ…取っ組み合いになり2人が能力を軽く使えば暴発した空気がサッチの方の壁をきれいに破った。
「と言うわけです。」
「ほォ…そうかよい」
俺たちはいま、黒いオーラを出しながら怒っているマルコ、呆れた顔で見つめるアン、赤い顔で怒るサッチの前に2人で正座をして怒られている途中だ。
『ほんと、意味わからないんだけど…』
「男の意地だねい。」
「そんなことで俺のピーーーータイムを壊すなよな!?!」
「「すみません」」
『壁、自分たちで直してよ?直るまで外出しないから』
「ちょっ、待て!明日は俺と1日デートだろ!?」
『デートって…エースがその壁直すまで外には出ない。というか、マルコたちと一緒に行く。』
「そんな〜〜」
「落ち込んでる暇があったらさっさと片せよい」
「マルコー、寝かしてくれよ〜。俺の部屋も壊れてんだぜ?」
「知らないよい」
アンと唯一遊べる日が壊されるなんてまっぴらだ。俺は死ぬ気で部屋を修理し始めた。