【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第85章 リゾートアル島 前夜
服を着替えて、静かにマルコの部屋に戻るとやはりベッドの上からスースーと寝息が聞こえた。
『疲れてるなら…引き留めなきゃいいのに。』
ベッドの淵に座り込むと、布団をかけずに眠っているマルコに手を伸ばす。
『あ、髪は意外と柔らかい…』
戦闘の時も形を変えないみんなの髪にどんな髪質か気になってんだよね。
寝顔はあどけないとは言えないが、まあ、普段見れない顔の一つであるその寝顔を見つめてしまっていた。
「あんまり見られると穴が開くよい」
右側から触れる熱…掌が頬に当たった。
『起きてたの?』
「あァ…おまえを残して寝れるかよい。」
『気にしなくていいのに。』
バサっと布団がめくられてマルコのベッドに収まった。やはり不死鳥の姿じゃなくても暖かいんだろうか。
『体温高いね…眠くなる〜』
「寝るために来たんだろい?」
『そうなんだけど〜』
「アンよい…リゾート楽しみだない」
『うん。』
「行きたいところ考えとけよい」
『うん…』
「…アン。」
『うん?』
「すk“ドゴォォォン!!!”…またかよい。」
マルコが何かを言おうとしたときに隣から聞こえたかなり大きな音。隣は確かエースとサボがいて、さらに隣にはサッチがいたよね。
「敵襲じゃなさそうだよい」
『みたいだね。様子見に行こうか。』
ほんの少しだけ肩を落としていたマルコはしばしばベッドから降りて、扉を開けて隣に行った。慌てて後を追いかけて隣の部屋に覗いた瞬間響く怒号。
「なんだよい!?!これは!?!」
そこに広がっていた景色は、エースのベッドの横の壊れた壁と、部屋の向こうでパンツをずれているサッチの姿。愕然としており隠せるも隠せてない。
『なにこれ…』
「どう言うことか話してもらうよい?」
部屋の真ん中には二つの部屋を隔てているはずの部屋の壁にきれいな穴が開いており、お互いの部屋が丸見えの状態だった。
「いや、これは…」
「やべぇ…」
肝心な2人はとてつもなく汗を流し、目を絶対こちらとは合わそうとしない。
「え、なに…なんで、俺の部屋が!?」
ようやく意識を取り戻したのか、サッチは穴から顔を覗かせてことの主犯格に話を聞いていた。
「これはエースが…」
「サボだろ、?」
「俺は…」
なんて罪の押し付け合いが始まろうとしていたのは、マルコの手によって止められていた。