【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第85章 リゾートアル島 前夜
お姉様方と別れた後、マルコの部屋にいつも通り戻ろうとすると、エースに呼び止められた。
「おーい、アン」
『エース、サボもただいま』
「おかえり」
「おう!」
『荷物運んでくれてありがとうね』
「あぁ!あんなの軽いもんだからな!」
「エース、そこじゃないだろ?話は」
「あ、そっか!部屋…出来たってよ!」
『部屋?』
「そ、お前の部屋!今までマルコんところいただろ?その奥に部屋作るって言ってたのがやっと出来たんだって」
『へぇ〜』
「俺の部屋にあった荷物は運んだいたから。あとはマルコのところのやつは自分でな!」
「俺は今日はエースんところにいるから!なんかあったら言えよ」
『ん、じゃあ、おやすみ!』
「「おやすみ」」
2人はまだお酒を飲むようで、酒瓶を片手に話し込んでいた。部屋に行く前にまずはマルコのところか。
『入るよー』
「…帰ったのかよい」
『うん、ごめん、寝てた?』
「いや、ちょっと気を失ってただけだよい」
『それを寝てたって言うんだよ。部屋できたみたいだから、これからは部屋に戻るね』
「あァ、そんなこと言ってたねい。」
『マルコに借りてたシャツとかは新しいの買って返すね』
「いや、いいよい。」
マルコはまだ眠いのか…ボーッとしながら会話をしていた。
『じゃ、今までありがとう。また、明日』
あまり眠そうなマルコを起こしても悪いだろうと思い、部屋を出ようとした時…パシッと腕を掴まれた。
「行くなよい」
『え?』
突然の引き止めに少し戸惑った。行くって言っても隣の部屋なんだけど。
「最後くらい、ここで寝ていけよい」
『…』
「ダメかよい?」
『…仕方ないな…じゃ、お風呂入ったらまた戻ってくるからね』
「よい。」
『先に寝ててもいいからね』
マルコの頬を撫でると、擦り寄ってくるように手に触れてきた。
『ん…』
名残惜しそうに手を離すと、マルコは引き留めていた手をようやく離してくれた。
「早く戻ってこいよい」
『ん。』
マルコに返事をすると、新しくできたと言う部屋に行く。シャワーもトイレもついていると言っていたので、さっそくお風呂に入った。
『にしても…さっきのマルコ、可愛すぎる。』
大人なのに、子供みたいな聞き方で…本当ずるい。
『ま、気持ちを知ってて止めてる私も十分ずるいんだけどね』
なんて少し自嘲的に考えてしまった。