【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第85章 リゾートアル島 前夜
「それで、マルコ隊長とはどうな感じ?」
「付き合ってるんでしょう?」
「甘酸っぱい話聞かせて!」
先に着くなりグイグイと聞いてくるお姉様にまず最初の大前提を話さないとなと思った。
『私、まだ付き合ってませんけど。』
「「「え!?」」」
「毎晩、部屋に行ってるのに!?」
「何もしてないの!?」
「本当に!?」
『え、えぇ…部屋に行ってるけど一緒に寝てるだけだし。』
「やだ…可哀想に。」
「マルコ隊長…心中お察ししますわ」
「こんな格好で隣に寝てるの?」
『いや、寝る時はマルコのシャツを借りてきてたけど。』
「彼シャツ…」
「マルコ隊長の忍耐力はえげつないですね」
「私が男だったらとっくに食べてますわ」
顔が青ざめているナースたちはマルコに労いの言葉を送っていた。
「アンちゃん?マルコがあなたのことを思っていることには気付いてるの?」
『?思う?あァ、妹離れできてないよね〜』
「「「違う!」」」
もちろん、マルコが思ってくれているのは知っているが…まだ今の関係のままでいいと思っている私は他人に手を出させるわけにはいかない。生憎、ポーカーフェイスは得意なんだ!
「もう!マルコ隊長ったら!何をしてるのかしら!!」
「本当に信じられないわ!」
「早くしないとアンちゃん取られちゃうのに!」
私を思ってのことなんだろう。
『みんな何怒ってるの?』
「こうなれば、既成事実でも作ってやろうかしら。」
「あら、それはいいわね。聞かせて?」
何やらよからぬことを話しているんだろう。目を晒して窓の外を見ていると目の前を見知った顔が通り過ぎていった。
『ッ!!』
「ガハハハ!考えすぎじゃ!!」
「そうだな!こんな島に赤髪と白ひげが一緒にくるなんてな!」
「そうじゃ!それにワシらは今は休暇じゃぞ!」
豪快に笑いながら歩いていく二人は派手なシャツを着てどう見ても海軍には見えないだろう。
「どうかしたの?アンちゃん?」
『い、いや…身内が…』
「え?」
『何もないです。』
あの支配人が言っていたことは嘘ではなかったと言うことか。
「顔色が悪いわね。そろそろ戻りましょう?」
「そうね、体調が大事よ」
『うん、帰ろう。』
お会計を済ませるとお姉様方に隠れるようにモビーに戻った。船についた頃には顔色は戻っていた。
「じゃまたね」
『うん!』