【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第85章 リゾートアル島 前夜
まだ日付のことは揉めているらしい。というか…サボよりずるいのはマルコだということに誰も気が付かないのだろうか。
「よい。じゃあ解散だよい」
マルコのその声を聞いて、隊長たちはまだまだ喚いてはいたが、部屋から出て行った。
「マルコよー、お前ほんっとずるいよな」
「なんの話だよい」
「ジャンケンにも参加しないで傍観してていいのか?と思ってたけどよ。まさか、先に埋めてるとは思わなかったわ」
「ほんとずるい長男さね」
「僕ら真剣にジャンケンしてたのにー!」
マルコはやはり責められているようでイゾウやハルタ、サッチに囲まれていた。サボとエースは早々に部屋を出ていき、きっとエースの部屋で話しているんだと思う。
『あ…』
操縦室から前を見ながら船を操っていた。敵船もなく順調な航海だったと言えるだろう。どうやら、ようやく終わりが見えたようで、目の前に観覧車やアトラクション、大きなホテルが見える島が見えてきた。
『マルコ!みんな!見えてきたよ!』
「「「「へ?」」」」
まだ喧嘩を続けていた4人に話しかけると、呆然とした顔が返ってきたので、指を指して窓の外を見るように言った。
「ほんとだねい。」
「でかい島!」
「というか…今から船つけたら半日、アンはなにするの?」
『え? ナースのお姉様方と買い物だけど?』
「1番最初はやっぱりナースたちか…」
「あいつら計算してやがるからな。」
ふふふふ…と笑う声が聞こえた気がした。船足を少し早めるとグイッと引っ張れるようになったせいか、“おっと”と言ってバランスを崩している人がちらほら見えた。
『あと、10分で島に着くよ』
「わかったよい。準備しろい!」
マルコが掛け声を発すると、サッチたちも部屋から出ていき自分の隊に指示を出しに行った。
帆を完全に畳んでもらい、島の近海に入ったので少しゆっくりと動かす。島の港ではすでに島の従業員たちが待っていたようで手を振りながら“ようこそ、いらっしゃいました〜”なんて言っていた。
「グララララ!お前ら、普段からよく働いてくれてるからなァ。この1週間はよく休めよォ」
「毎度のことだが、揉め事はご法度だからない!あと、見張り隊はしっかりしろよい」
「「「「「おおーー!!!」」」」」
大きな雄叫びが上がり、船を岸につけた。
「この度ご来島ありがとうございます。」