【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第84章 特訓
「お、戻った?ってまたマルコの服か?」
『だって、楽なんだもん。』
「アンちゃんの部屋になる予定の部屋はまだベッドとか何もなかったから俺の部屋で寝ていく?」
『いや、戻る』
「ちなみにどこに?」
“そんなの決まってるでしょう?”と言ってサッチの部屋を出るとそのひとつ隣の部屋に潜り込んだ。
『眠い〜』
布団にはまだ眠っている部屋の住人がいたが、まだ早朝というこもあり起きてない。というか…あんまり寝れていないんだろう。
『目の下に隈ができてるよい』
布団に潜り込んで、隣に寝転ぶと布団が引っ張られたのが気になったのか身動ぎをしていた。
『おやすみ…』
布団を再度被り直して、彼が向いている方向と反対を向き目を閉じる。いきなり、布団が動き体に抱きつくような体制になっていたが、あんまり嫌な気はしないので放ってそのまま眠りについた。
Side.Marco
アンとサッチが修行だと言って島に降りて、4日目。
「隊長…大丈夫ですか?」
「なにがだよい。」
「隈…すごいことなってますよ」
隊員言われ鏡を見ると確かに隈にはどこぞの顔のいい外科医のようなはっきり見える隈。
「今日の夜は寝てくださいね」
そう言われてたのは記憶に新しい。だが、結局今日もこんな時間だ。時計はすでに3時を過ぎており、4時になろうとしていた?
「たった1人いなくなるだけでこんな状態かよい」
自分に頭を抱えた。寝れるかどうかではなくとりあえず体を休めようと布団に入って、目を瞑る。本能とは実に正直なものでいつのまにか寝ていた。
朝の光に照らされて目を覚ました。ふと抱き抱えているものの暖かさにまた目を閉じようとしたが、“違和感”に気づき自分の抱きついているものの正体を見た。
「ッ!!」
布団を少しまくるだけで見える少し縮こまるように寝ているアン。布団をまくったのが寒いのか“んー”と唸っていた。
「いつ帰ったんだよい…」
そう言って服に目を向けると、それは俺が失くしたと思っていた2枚目のTシャツだった。
「お前は…ったくよい」
本当に人の気も知らないで、やってくれるねい。今日くらい寝坊しても何にも問題ないだろう。
もう少しこの暖かさを実感していたい。
『ん…』
「まだ寝るよい…」
暖かいアンを再度抱き抱えてまた目を閉じた。