【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第84章 特訓
Side.Marco
部屋の周りが騒がしくなってきたことで目が覚めた。ふと時間を確認すると、とうに起きる時間は過ぎており“寝過ごした”と理解した。
「しまったねい」
部屋の中を見ると、アンの姿はなくなっていた。
「マルコ隊長、おはようございます!あと数分で島に着くのでそろそろ起きてください〜」
扉の向こうから聞こえる声に、クローゼットから服を取り出した。
「あ?服が一枚ないよい」
あまり多くない自分の服がクローゼットから消えている。洗いに出して忘れてるのか?まぁ、いい。今はそれどころじゃないからな。
扉を開けると外で待っていた隊員は少しびっくりした顔をしていた。
「お、おはようございます!」
「おはよい。んで、島ってのはどういうことだい?」
「あぁ…それは『私が決めたの。』…」
そう言って、前から現れたアンに目を見開いた。
『船を少し見回ったけど、食料も少なくなってたし。』
「お前ない…なんで俺の服きてんだよい」
『借りるって言ったわよ?』
「は?いつだよい?」
『私が部屋出るときに…マルコだって“よい”って言ってたよ?』
そう言われてみると、そんなことを夢の中で言われたような気がする。ありゃ、現実だったのかい。
「はぁ…」
チラリと見えると太もも、胸、ショーパンはおそらく履いているんだろうが…完全に彼シャツ状態。
俺の理性でも試してんのかい…
『マルコ?聞いてた?』
「…聞いてなかったよい」
『次の島、無人島なんだけど、ログが2週間くらいなの…近くに海王類の巣があるらしいし。敵船に襲われる心配もない。船も修理したいって船大工たちが言ってたし…いいでしょう?』
身長差ができてる俺から見れば完全に上目遣いでのお願い。そして、彼シャツというオプション付き。
「…勝手にしろい//」
『やった!これで、思う存分できる!じゃ、あとはよろしく』
“サッチ〜〜”と言いながら走っていく後ろ姿に大きくため息をついた。
「今度は何をする気かねい」
「さぁ?」
「とりあえず…朝からの報告と各隊の報告を聞かせろよい」
「もちろんです!」
俺は隊員を引き連れて、執務室に向かった。途中途中でアンがみんなに言っていたであろう“必要なもの”の書かれたリストを各隊長たちに渡された。
「さすがに仕事が早いねい」