【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第84章 特訓
「おはようございます!!」
『おはよ。で場所は?』
「前方11時の方角です!」
その方向に目をやると確かに島影が確認できた。
「地図ではここを航海しており、この島だと思われます。近くに海王類の巣があるようで、普段は誰も近寄ることのないようです。」
確かに地図には大きな海王類のマークが入られており、ドクロのマークが立っていた。
『あら、私がいれば問題ないわよ?』
「そうですね!!」
『うん、宴しちゃったし…このまま島に向かって?私は甲板にいるから何かあったら呼びにきて』
「「「はい!!」」」
操縦室を出ると、甲板に向かう。廊下にまで広がっている人の屍は、邪魔でしかたなかった。甲板にはうちの人たちしかおらず、さっきそういえば船に戻ったって言ってたなと思い出した。
かけ橋はまだつけられていたので、そのままシャンクスの船に乗るとベックはやはり起きていた。
『おはよう』
「あァ…なんだ?不死鳥とついに結ばれたのか?」
『いえ?』
「なんだ見せびらかすように服を着てたからてっきりそうかと思ったが?」
『あぁ…服取りに行くのがめんどくさかったの。昔から結構エースとかのも着てたよ?』
「そうか…んで、何をしに来たんだ?」
『近くの島に行くことになったから、どうするかなーと』
フーと紫煙を吐くベックは船を見渡して言った。
「いや、俺たちはこのまま航海に戻る。いつまでも一緒にいると海軍に攻撃されかねないからな」
『確かに』
「あいつはまだ寝てるが、船は動かす準備はできてるからな。すぐに出る」
『そう。また来てね?』
「次はお前と不死鳥が付き合った祝いに呼んでくれ」
『そうね〜、まだまだ先になりそうだけど。』
「なんだ、気付いてんのか?」
『…当たり前でしょう?でも、今はこの関係が楽しいのよ?』
「そうか…そうだったな、お前は悪魔だったな」
そう言って、ベックは起きていた下っ端船員に声をかけるとかけ橋を外して船を反対方向へ進めていった。
『またね〜!!』
手を振ると、少し控えめにだが振り返してくれたのが嬉しかった。そのあともちろん、勝手に離れたことでシャンクスの怒りの電話がかかってきたのは分かり切ったことだろう。
「アン副隊長!あと数刻で船は島につきます!」
『分かった!親父様には私から言っておくから各隊に通達!』
「「はい!!」」
『…特訓かな』