【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第84章 特訓
朝起きると、やはりマルコが隣にいて少し肌寒いのか抱きついてきていた。
『…ん、』
まだ目を開ける様子のないマルコをじっと見つめる。何もしても色気が出ているような気がして止まない。
『にしても…昨日の記憶が…』
これはまたやってしまったパターンだろう。のそりとゆっくり腕から抜け出すとマルコの部屋についているシャワールームに向かった。
『お酒臭いのをなんとかしないとね。』
早く部屋ができればもっとゆっくりできるのに〜なんて思いながらシャワーを浴びる。シャンプーやリンスは持っていないのでマルコのやつを使わしてもらった。
『あの髪…リンスとかしてるんだ。』
プッと笑ってしまったが、シャワーを無事に終えて服を着る。ちなみに服も持ってきていないため、中、マルコのクローゼットを漁り勝手に使用している。
コンコンと響くノック音に紙を吹きながら扉を開けた。
『はーい…』
「へ!?あれ!?ここ、マルコ隊長の!?服?!」
部屋にきたのは1番隊の若い隊員で、若いと言っても私より3つほど年上らしいが…。人の格好を見て慌ててる仕草を見せる彼は焦っているようだった。
『何を慌ててるのよ。マルコの部屋であってるし、服もマルコのだけど何?』
「い、いえ!!すみません!」
『で、なにか用だったの?』
「は、はい!近くに島を確認しましたので知らせに来ました!」
『…町は?』
「見当たらないようで、航海士によると無人島のようです」
『そ、じゃあ、着陸準備。あと、シャンクスは?』
「赤髪たちは船に戻ったようですが、まだ隣で並走してます」
『はーい…マルコはまだしばらく起きないだろうから、私が行くわね』
「はい!待ってます!」
扉をパタンと閉めて部屋の外に行く準備をするが…服がない。
『……このままでいっか。』
いつもの格好にマルコのシャツを羽織っただけのラフな格好で、髪の毛もまた半乾きの状態。
「んー、」
伸びをするような声が聞こえたので、ベッドの方を振り向くと上半身を起こしているマルコがいた。
「……」
『マルコ、おはよう』
「……」
返事がなく珍しいなと思った。近づいてみるとどうやら寝ぼけているようでまだ完全に覚醒してる様子はなかった。
『私、ちょっと航路について話してくるね。シャツも借りるね』
「…よい」
そう声が出たので部屋を出て操縦室に向かった。