【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第83章 急にきた…
Side.Marco
グッと顔を近づけた時、あと数センチで唇が触れると思ったその時、スースーと聞こえ出した寝息。
『ス–…ん』
「全く人の気も知らねェで。」
ベッドに眠るアンに布団をかけてやると“マルコ…”なんて言うもんだから、少し頭を抱えた。
「アン…よい、お前はいつになったら俺の言葉を聞いてくれんだい?」
手の甲にキスを送り部屋を出る。
「お、なんだ!返ってきたのか?」
「ずるいぞ、マルコ!俺もアンとキスしたかったんだ」
「お頭はそのまま続けるだろー!!」
「やめとけやめとけ!」
「不死鳥の忍耐はすげェな!!」
酒を飲んでずいぶん盛り上がっている赤髪たちはもうほとんどベロンベロンだ。
「グララララ!手を出してたら俺ァ、お前を海に投げてたぜ?」
「だぁっはっはっは!!! そらいいな!!」
「マルコじゃねェ…お前にいってんだよ。赤髪の小僧」
「俺か!!そうか、アンは白ひげを親父って呼んでんなら…そうだな、ちゃんと筋は通さないとな!」
赤髪は急に真剣な顔をして、親父と向かい合った。
「あ?」
「親父さん、娘さんを俺にください!!」
「「「やるかッ!!!」」」
急に何をしだすかと思えば、馬鹿丸出しだよい。
親父にも笑われながら、跳ね除けられていた。
「てめェみたいな、どこの馬の骨にアンはやれねェなァ」
「ちっ!やっぱり本人から口説くしかないな」
「アンはお前みたいな女たらしにはなびかねェよい」
「言ってくれるじゃねェか!!」
赤髪はやいのやいのと何かを言っていたが、相手するのも怠くなっていた俺は無視をし続けた。
「おい、マルコ!」
「なんだよい」
「アンのキス…うまかっただろ?」
ニカッと誇らしげに笑うエース…なんで嬉しそうなのか理解できないよい。
「…馬鹿言ってんじゃねェよい」
「ちぇ〜」
確かにうまかったというか…なんかこう。
「理性の崩し方を知ってる…って感じかねい」
宴はいつものように夜明けまで続き、ビスタやアトモス、イゾウなど少し理性が強い奴らは部屋に戻っていった。
「俺も寝るかねい」
「おっ、襲うなよ〜!」
「ギャハハハハ!!」
サッチとエースはまだ飲むようでそのまま放って置いた。部屋ではまだスースーと気持ち良さげに眠るアンだった。