【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第83章 急にきた…
Side.Thatch
おいおい、嘘だろ?!
「イゾウよォ、何飲んでたの?」
「ラム…」
「やばいんじゃね?」
「あァ…」
俺たちはすぐに立ち上がって、アンちゃんのところに向かったその時、急に沸き立つ宴と歓声の声。その中心に目をやるとそこには…
「あらら…」
「ま、いいんじゃねえか?」
強い酒を飲みキス魔になっているアンちゃんと、驚きのあまりにいつもより目を開いているマルコ。
『ん…っ』
「や、め…ろ、よい!!」
『やぁ…もっと…』
「ッ!!」
うわー、流石の俺でもクラッと来ちゃうぜ?あれ。
『ね、マルコ…』
「誰だこいつに酒飲ました奴はよい!!」
「おーい、アン…俺がしてやるぞ?」
『シャン?』
フラフラフラと歩いて行こうとするアンはマルコに抱えられていた。
「あー、アン。水飲むか?」
『エース…いらない』
「おい、マルコ、もう寝かせといたほうがいいぞ?」
「わかってるよい、親父!」
「グララララ、相変わらず弱いなァ…寝かしてやれ」
マルコの目線に親父はそう答えると、マルコはアンを抱えたまま船内に戻っていった。
「送り狼にならなきゃいいがな…」
「あァ」
Side.Marco
赤髪とアンの会話は恋人同士のように甘く感じて、年甲斐もなくまた嫉妬しているようだ。
くそ…イライラするよい
やけ酒をしているとアンが顔を紅潮させてやってきた。“怒ってる?”と聞くアンに何度同じ答えを返したかと思った。こいつ…まさか…!
「アン、酒飲んだかよい?」
『のんれらいよ?』
「飲んだんだねい」
こりゃ、やばいなと一瞬油断した時だった。唇に触れる生暖かい感触、ぬるりと唇を這う舌。
『ん…っ』
キスされていると気付くのには時間はかからなかった。こいつ…本当に…
「や、め…ろ、よい!!」
『やぁ…もっと…』
「ッ!!」
俺の中の理性がグラリと揺れた。大きく深呼吸をして心を落ち着かせると、“もっと”と言うアンを抱えあげる。エースが水を飲まそうとするも飲むことはなく、親父に許可をもらい部屋に連れて返った。
「着いたよい」
『マルコ…して』
「はぁ…仕方ないねい」
どうせ覚えてねェんだ。と思った俺はタガを外した。
「逃げんなよい」