【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第83章 急にきた…
熱も無事に下がり、私は普通の執務に戻っているわけもなく…安定のお部屋待機というやつだ。
「そんな不貞腐れんなって!仕方ねェだろ?その右腕骨折してんだからよ。」
『サッチ…その手は何。』
「何って…アーンだろ?」
サッチの手にはスプーン、ご飯はすくってあるようでこちらに向けて静止していた。
「ほら、アーン」
『…自分で食べれますけど。』
「遠慮すんなって、ほら、アーン」
意地でもやめないサッチに“どうしたものか”と考えた時。
「俺の部屋でイチャイチャしてんじゃねェよい!!」
バシッと持っていた書類でサッチの頭を叩いたのはマルコ。
「仕方ねェだろ?アンちゃんは今部屋がないんだからよ。」
「食えるって言ってんだから、スプーン渡しときゃいいだろい!」
「なんだ、マルコもやりたかったのか?ほら、アーン」
「馬鹿言ってんじゃねェよい!!」
マルコとサッチは子供みたいな喧嘩をし始めていたので、その隙に置いてあったスプーンを左手で持ち、ご飯を食べた。
「マルコ〜、って何してんだ、サッチと」
『見ての通り、喧嘩だよ。』
「そっか。飯食えたか?」
『うん、具材も細かくしてくれてたし。食べやすかった。』
「そうか!ま、無理すんなよ!」
「はぁ…無駄に時間を使ったよい。で、エース…何しにきたんだよい?」
「ん? ああ…シャンクスが来てるから知らせてこいって親父が行ってたからな!」
エースはサラッと言っていたが…それはかなり重要なことではないだろうか。
「い、今なんて?エース」
「あ?だから…シャンクスが…」
「アンーーーーッ!!!!」
『ぐえッ!!?』
急に飛びついてきた固まりの姿をよくみると、赤い髪に黒いマント。
『シャ…シャンクス…。』
「生きてたなら、俺に会い(愛を語り)に来いって言ってただろ!?」
あまりにも四皇の威厳を捨て去ったシャンクスはお酒でも飲んでいたのだろう。お酒臭い。
『くる…しい…死ぬぅ』
「アン…生きてたなら結婚しよう。俺の妻に「どっか行けよい!!」グベシッ!」
「おおー!すげェ!!」
「愛の力ってやつだな!」
『…関心とかいらないから!というかシャンクスお酒臭い!』
「そりゃ、お前が死んでから深酒してたからな。」
扉にもたれるように立っていたのはベックだった。
「久しぶりだな。」
『いらっしゃい』