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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第82章 関係


『ん…』

眩しい光に導かれるように目蓋を開けると、そこに見えたのは、木の壁…白いカーテンが半分見えた。体がゆらゆらと揺れているような感覚。どうやら、船はいつの間にか出航してしまっているらしい。

『…ミケ』

そう呼ぶとポンポンと次々に出てくる3匹。

〔主人様〕
〔お目覚めか!〕
〔よかった。〕
『1匹しか呼んでないんだけど…』
〔心配だったのです〕
〔そうなのです〕
『そう…ごめんね…ッた』

近くに来たシロを撫でようとしたとき、右腕に鋭い痛みが走った。シャッとカーテンの開く音とともに入ってきたのは点滴を持っているナースのリアスだった。

「あら、起きてたのね。大丈夫?」
『うん…あれから何日経った?』
「4日よ。目を覚さないものだから、みんな心配して医療室いっぱいになるところだったわ。」
『え?』

カーテンの向こうに見える、おそらくお見舞いの品であろうもの。紙に似顔絵を描いてくれているものや、島で買ってきた花を飾ってくれているものもある。

『…ッ』

もう少し見ようとカーテンのところに腕を伸ばすとピシリとまた痛む。

「ダメよ、動かしちゃ。その腕、折れてるわよ。銃弾に撃たれたような傷も残ってたし。体は冷えて熱があり、切り傷はあり、おまけに傷痕の上にタトゥー、足首の骨の上にタトゥー、そして、右耳にはピアスが空いてる。どう言うことかしら?」
『あはは…』
「あははじゃないわよ!どれだけ心配させれば気が済むのよ。」
『タトゥー…綺麗に入ってた?』
「全く…えぇ、綺麗に入ってたわ。船長さんのも足首にあるのもね。包帯も変えておいたから…あとは落ち着くまで3日くらいかしら」
『そう…』
「みんなに会う?今、面会謝絶にしてるのよ。」
『…もうちょっと静かにいたいかなー。』
「お腹は?」
『空いてない』
「そう、もう少し寝てなさい?点滴だけ変えておくわね」

リアスはテキパキと仕事をすると、部屋を出て行った。

「おいアンはまだ起きねェのか!?」
「まだですよ。エース隊長」
「くそっ!本当にただの熱なんだろうな!」
「そうですよ。大丈夫ですから」

廊下ではリアスがエースを追い払っていた。

〔主人様…〕
『なに?』
〔もう少しお眠りください〕
『眠りたくないの。』

船がぐらぐら大きく揺れ出した。きっと嵐の海域にでも入ったんだろう。

〔海も心配してます〕
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