【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第81章 戻った誇りと不穏
〔お前たちの為に!!〕
〔なぜわからぬのだ!!主人様はずっと同じことを!!〕
〔最初から思っているのはお前たちのことだけなんだぞ!!〕
私が倒れたと同時に駆け寄ってくるマルコとサッチに3匹は悲痛な声を上げていた。体が熱く、声を発することもままならない。
「熱があるよい。雨の中冷えた状態でずっといるからだよい。まぁ、その他にも理由はありそうだねい」
「マルコ、行こうぜ。ここじゃ、余計に冷えちまう」
体にかけられる服の暖かさに笑みがこぼれた。
『…ごめん、マルコ…わ、たし…勘違いさせた…』
「あァ…後で聞いてやるよい。話そう。俺たちで」
〔主人様!〕
Side.Marco
パシャンと急に消えた猫。アンの様子を見るとどうやら気を失ったようだ。抱き抱えながら、腕や傷ついているところに再生の炎を当て続けた。
「あ、まて!包帯のところには絶対当てるな!」
「は?怪我だろい?」
「違ェよ!誇りだ!今当てると痛い思いして彫った意味がなくなっちまう」
「…また叱らないといけないことが増えたよい」
猫に言われたこと“守られていることに気がついてないお前に言うことなどない”という言葉。気づいてねェわけがない。サッチがエースや家族を馬鹿にした奴らを殺してるのも知ってる。アンがあいつらが殺した理由…“家族を馬鹿にされた”なんてことも予想がついてる。
「俺が知らねェわけなんてないんだよい」
「なんか言ったか?」
「いや…」
お前たちが隠してることだから、言わないだけだ。それに俺も“家族を守りたい”からねい。ただ…もっと上手くやってくれよい。
「はぁ…」
「なんだよ!ため息ついて!!アンちゃん、抱えるの疲れたなら変わってやるぜ?」
「馬鹿いうない!お前に触らせると汚れるよい」
「はぁ!?!お前がそのセリフを言うのか!?」
「うるせェよい。」
モビーについてすぐに医務室に連れていくと、ナースたちに包帯やら手当てをするから出て行ってくださいと追い出された。
「マルコよォ。」
「なんだよい」
「お前…気づいてんだろ?」
「なにがだよい?」
「ま、いいけどさ。俺とアンちゃんの秘密なんだから内緒にしとけよー?」
そう言ってウインクをしてきたサッチに流石にイラっとしたので、頭のフランスパンを潰しておいた。
「ノォォ!!?!」