【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第81章 戻った誇りと不穏
ピシリと言い放った私の言葉が気に入らなかったのだろう。デステンダーの“やれ!!”という号令に仲間たちは答えるように、一斉に銃や剣を持ち上げた。
『…血弾丸銃:ブラッドブレッド』
腕から垂れていた血でいくつもの弾丸を作り、指の操作で一斉に放った。致命傷を受けた者は倒れ、腕や脚で済んだ者はそのままこちらへ向かってきていた。
「ヒッヒッヒッ!!そんなので俺たち全員が殺せるわけないだろ!?」
『近くによる人数が減るだけで充分よ。』
流れた血で剣を作り、男たちを狩っていった。
『血剣:ブラッドナイフ…私、家族を馬鹿にした奴らはみんな殺してきてるから…』
血を流しすぎている。急いで蹴りをつけないと!!
「お得意の水は使わないのか!?」
『使ってるよ?気付いてなかったの?霧隠 水柱』
霧を晴らしたその先に見えるいくつもの水柱。
「はっ!!それでなにが出来んだよ!?」
『…私1人でも問題ないけど…私今、手負いなの。私の仲間が来るのが早いか、私があなた達を殺し切るのが早いか、それともあなた達が私を殺すのが早いかッ!!』
「ハッ!!俺の手下はあと30人はいるんだぜ!?負けるわけねェだろ!!」
『どうかしら…水獣…クロ、シロ、ミケ』
〔お呼びか、主人様!〕
〔戦闘か…〕
〔楽しみじゃ〕
『ん、1匹5人は食い殺しちゃって』
〔〔〔かしこまりました。〕〕〕
「ヒッ!!化け物!!」
〔失礼な奴らじゃ〕
〔グニャァゥ!!〕
ミケ達はこの間見せていた姿より幾分も大きくなり、私と身長を同じくらいの大きさになり、敵を殺しに行った。
「…こ、こんな化け物聞いてねェ!」
『そりゃ、そうよ。今初めての実戦なんだから。残念、賭けは私の勝ちみたいね。仲間は来なかったけど、私はあなた達を倒しきった。これで終わりね。』
「ゆ、許して…」
『私は言ったでしょう?家族を馬鹿にしたものは誰一人生かしちゃいないの。地獄で後悔するといいわ。』
勢いよく血剣を振ると、男の首が宙を舞い下に落ちた。勢いよく出る血飛沫に包帯や服が汚れたが気にならなかった。
〔主人様…大丈夫か?〕
擦り寄ってきた3人はいつもの大きさに戻っていた。
『ん…問題なし』
と思ったがやはり血を流しすぎたようでふらりと視界が傾いた。
〔主人様…無理はしてはいけない〕
『少し休みたい…』
〔それがいい。俺たちが見ているから〕