【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第79章 出航
ドレスローザ崩壊から3日目だった。
〔女神!!大きな船がきたよ!!〕
〔これ、海軍だよ!!〕
急に聞こえた声に横で寝ていたマルコが起きるかもしれないという速さでベッドを降りた。
「アン?」
眠たげな目を擦って起きるマルコ。
『護送船がきたみたい。ちょっと島に行ってくる』
そういうとすぐに頭が切り替わったのか“分かったよい。気を付けろい”なんて返してくれる。
『行ってくる』
そう声をかけると、眠たそうな目にキスを送った。
『もし動くことになれば、連絡する』
「よい」
机に置いてあったアクセサリーやダガーを準備してエースとお揃いの帽子を被った。
部屋を出ようと扉に向かうと
「キスはこっちにしろい」
『ん!!』
右側からわざわざ現れて、唇を奪っていったマルコは満足そうな顔をしていた。
『もう…行ってくる』
すぐに甲板に向かうと、船の近くで泳いでいるイルカのところへ向かった。
『島まで連れて行って』
〔掴まって!女神!〕
〔船の横を通るよ!〕
少し海面に近いところを泳いでくれたイルカたちの背につかまりながら、横を進んでいく船を見た。
『海軍だ…』
旗までは見えないが、その底から感じる嫌な石の感じ、独特の色彩。
〔おてがら?〕
『うん、かなり!』
島の港がうっすら見えてくるとイルカたちにお礼を言って背を離した。
『っと…』
チャプンと小さな音を立てて、港に近い海面から首を出した。
『げ…』
船の旗印は畳まれて分からなかったが…港を悠々と歩いているのは誰かすぐに分かった。
『おつるさんとセンゴクさんだ…』
あんな二人を連れてくるなんて…やっぱりドフィは相当な悪党だったってことかな。
見聞色の覇気を使い、会話を探るとどうやらもう動き出すようで海軍たちがバタバタと動き出した。
『こっちも…』
プルプルプルとマルコ子電伝虫へ連絡を繋いだ。
[よい。どうだいそっちは]
『ん、動くみたい。準備して。』
[もうできてるよい]
『ありがとう、船をそのままで動かすからね。』
[了解]
ブツッと切れた子電伝虫を仕舞い込んで、少し離れたところから陸に上がった。
『まずはルフィたちがどこにいるか探さないと。』
「おい!!“東の港”への援軍はどうしたんだらァ!?」
突如聞こえた大声に足を止めた。バスティーユ中将ね…。