【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第78章 二人の夜
Side.Thatch
朝から飯を食いにきたエースが俺に向かって聞いてきた。
「アンは?」
「んいや、まだ見てねェよ。まぁ、出てこれるかわかんないけどな」
昨日俺の部屋で過ごす約束を蹴ってマルコの部屋に行ったアンちゃん。こりゃ、今日はお赤飯かな…なんて思ってた。
「まだ起きてきてねェのか?しゃーねェな!」
「え、ちょ、待って!どこいくの?」
「マルコの部屋!アンのやつ寝てんだろ?」
「やめとけって、後で怒られるから!」
「誰にだよ。じゃ、起こしてきてやるからなー!!」
「わー、待て待て!!」
朝からおっぱじめてたらどうすんだよ!?なんて気持ちがあり、マルコに申し訳ないと思い、エースを追いかけた。
「やめとけってエース!!」
「なんだよ!」
俺が追いつくことなく進んでいくエース。俺だっていい歳なんだからな?エースはバンッと大きくマルコの部屋の扉を開けた。
あーあー、やっちまった…。
頭に手を置いて中の様子を見ると、顔を赤くしてるエース。その先には今にもおっぱじめようとしてるマルコとマルコの下に敷かれてるアンちゃん。
ほらー、やばいやつだぜ?
マルコの野郎こっち、ずっと睨んできてるんだぜ?
首根っこを掴まれて、言い訳をすると…どうやら告白タイムを邪魔してしまったようだ。
こいつ、一晩中なにしてたんだよ。なんて聞いたら
「ゆっくり眠ってたよい」
「え、おまえ…不能なの?」
流石に怒ったのか、俺の何時間もかけてセットしているリーゼントをぐちゃぐちゃにしやがった。
あー、まじで…嘘だろ?またセットいるじゃねェか。というか…
「アンちゃん、あの格好で寝てたわけ?」
「あァ…」
「よくもったな〜。」
「キレそうな糸を必死に繋いでたよい」
「あ、そうなんだ…お疲れさん」
あんな胸がポロリしてもいいくらいの服で隣に寝られたら俺だったら耐えられねェわ。
どうやら、マルコはそのほかでも悩んでいるようで大きなため息をついていた。
「無意識にも困ったもんだよい」
「頑張れよ、マルコ」
「よい。」
ほんと、おまえらには幸せになってもらいたいんだからよ。
あんな、死に分かれるような事は二度とごめんだぜ。
「ほら、飯食うだろ?」
「はあ…今行くよい」
俺はマルコを慰めながら、食堂へ帰って行った。