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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第77章 兄妹喧嘩も


Side.Ace

部屋の前にいた猫は威嚇をやめない。

「あ?なんでこんなところに猫?」
〔近寄らせないぞ。〕
「うわ、喋った!!」
〔我らは主人の命でここにいる。帰れ、小僧〕
「あ?小僧とは言ってくれんじゃねェか!!この化け猫!!」

猫に熱くなるのはどうかとも思ったが、俺は馬鹿にされた怒りのままに拳を振り上げていた。

「ッ当たらねぇ!」
〔貴様なんぞの拳など当たるものか〕

不意に蹴りを入れてもこいつらはヒョイヒョイと避けやがる。

「どうなってんだ!?」
〔我らは主人に血を分けてもらっておる。〕
〔そのような軟弱な拳なんぞ当たるか〕
〔馬鹿ものめ〕

血…?!

「あいつ血を流してんのか!?」
〔黙れ、下衆!!〕
〔お主のせいで主人は泣いておるのだろう!!〕
「うっ!!」
〔我々は見ているのだ!!〕
〔主人を通して!!〕

猫たちはズバズバと言葉を言ってくる。心が保てない。

「エース…何やってんだよい」
「1人で…っては?猫?」

やってきたサッチは俺の正座の姿と目の前に並ぶ化け猫3匹をみて、疑いの目を向けてきた。

「お前…流石に動物はダメだろい?」
「寂しくなっちゃって、陸から連れてきてたの?」
「違ェ!!俺じゃねェよ!!」
「じゃあ、なんでそいつらはそこにいんだよい」
〔黙れ、パイナップル、コッペパン!!〕
〔我らをそこらへんにおる動物などと一緒にするな〕
〔阿呆め〕
「あ?パイナップルってのは俺のことかい?」
「コッペパン…」

青筋が浮かんでいるこの2人…とてつもなく怒っているのは分かる。

〔何をしにきた…主人様はご傷心中ぞ!〕
「「うっ!!」」

ほらー、やっぱりそこでやられんじゃねェか!

『クロ、シロ、ミケ…うるさい』
〔主人様ッ!すみません!!〕

扉が開いたその先に少し寝ていたのか、ポーッとしているアンが顔を出した。

「何してんの、3人ともそんなところに正座して…」
「アン…すまなかった!!」

俺は声を絞り出した。

「俺…お前の気持ちも考えないでズカズカ土足で心に入り込んで」
〔主人様、こやつ、処刑しましょうぞ!〕
『ミケ…しーッ』
「反省してる!ほんとにすまないッ!!」
『うん…次したら処刑だ!…ってミケが言ってる。』
「お、おう…」
「アン!動物の持ち込みは…禁止だよい」
『え?動物?』
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