【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第77章 兄妹喧嘩も
あまりの大事に恥ずかしくなった。いなかった約1年半…いろんなことがあったんだろう。
エースは心配半分ということも知ってる。
マルコが仲裁に入ってくれなかったらきっとまだまだヒートアップしてただろう。
顔を蹴られたのは府に落ちないが…。
聞きたくなかった…私のいない間のことなんて…
聞かれたくなかった…私が生きてきた約1年半を…
マルコの言葉を聞きながら、目頭が熱くなる感覚。サッチが起こしてくれたが、顔をあげる余裕なんてなかった。
「…かくゆう俺たちは誰もアンを責められねェ。何をしてたかなんて聞く権利もねェんだよい。わかってんだろい」
ピシリと言い放ったマルコのセリフが突き刺さった。
同情されてる…そんな気がした。周りの目線に耐えられなくなり私は無心で船内に走った。サッチの声が聞こえたけど、無視した。
バンッと音を立てて入った部屋は汚くて…布団も散らかってて…でも何も変わらない…帽子の位置も、服の置き場所も、ただ物が増えてただけ。
『汚いな…ほんとに…』
ゴソゴソと布団に潜った。部屋を閉めたってきっと鍵を持ってるエースは入ってくる。
『海に潜ったら誰も来れなかったかな…あ、そうだ。見張りをつけよう。ドフィがやってたみたいに…』
自身の体から一塊の水をぽちゃんと落とすとそれを形成した。
『流石に自分はまだできないけど…』
そこには小さな猫が何匹かいた。
『外をお願いね。』
「にゃー」
そう言った私の水動物たちは扉を超えて、外を守った。
『寝よう…』
Side.Ace
心配がいきすぎた…そう思った時にはアンは船内へ駆け出していった。
「あーあー、どうすんのよ」
「お前がいけよい、エース」
「分かってる」
「あ、俺からも!」
ゴンッと頭にくる拳骨。サッチからだ。
「親父に言われただろ!!アンちゃんを泣かすなッ!!」
「ッ!!」
泣いてた…のか。
「アンちゃんが辛くねェわけねェだろ!!いたくていたんじゃない!!帰りたくても帰れなかったんだ!!なんで分かってやれねェんだよ!!」
サッチの一言にもう一発殴られたような気分だった。
「早くいけよい」
「分かってる」
俺はアンのいるであろう場所に走っていった。その扉の前には猫が3匹…“フーッ”と威嚇していた。