【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第77章 兄妹喧嘩も
Side.Thatch
こんな大声で喧嘩をしていれば、周りにゾロゾロと人が集まってくるのも当たり前でその中にはもちろん俺たち隊長もいた。
「そんな具体的なことなんか聞いてないだろ!?」
『聞いてるじゃない!?』
「聞いてねェ!!!」
『聞いてるわよ!?ヤッたとかヤッてないとか!!』
おいおい、エースは何を聞いたんだ?
「なんの騒ぎだよい。」
「マルコ隊長…それが…」
「アン副隊長とエース隊長が…その…」
「なんだよい、はっきり言えよい」
下の奴らは言いづらそうにしている。そりゃそうだ。普通はこんな大声で言える内容じゃねェ。そんな間にも喧嘩はヒートアップしていっている。
「エースがアンちゃんに性事情にについて聞いてんだよ。」
「は?」
首をそっちに向けて会話を聞いてみろと目で示した。
「だーかーらー、そんなこと言ってねェだろ!!ドフラミンゴと寝たか、キスがうまい理由を聞いてんだろ!?お前が喋らないからだろ!?」
『それが余計なお世話だって言ってんでしょ!?私がどこで何しようが勝手でしょ!?』
「な?」
「はぁ…世話が焼けるよい」
マルコは喧嘩をしている2人に近づいて、思いっきり蹴りをかました。
「うわ〜遠慮なし〜」
「ッてェな!!」
『ッた…』
どちらとも顔を蹴られているので、口の端から少し血が漏れていた。
「毎回毎回、お前も懲りねェよい。エース。」
「んだよ!」
「アンにはそういう類の質問をすんなって言ったろい?俺たちだって言えないことをしてんだからよい」
「俺は娼婦なんて!」
「一回もないとは言えないだろい。」
エースがマルコに説教されている間に俺はアンちゃんを引っ張り起こした。
「大丈夫か?」
『…』
聞きたくねェよな。聞かれたくもねェよな。いたくてドフラミンゴところにいたわけじゃない。帰りたくても帰れなかったんだからな。
アンちゃんは左目に涙をいっぱい溜めていた。
「…かくゆう俺たちは誰もアンを責められねェ。何をしてたかなんて聞く権利もねェんだよい。わかってんだろい」
マルコにピシリと言われたエースは黙った。
『…ッ』
「アンちゃん!!」
エースが黙った時、アンちゃんはバッと走り出して何処かへ行ってしまった。
「ったく…」
「すまねェ」