【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第77章 兄妹喧嘩も
朝起きると、激しい頭痛に襲われた。
『いたた…なに…』
「二日酔いだよい。」
え?そう思って後ろを振り向くと、マルコが鳥の姿で布団の中にいた。
『なんで、不死鳥?いや、可愛いけども』
「触るない。アンよい」
『んー、なに〜。モフモフ可愛い〜』
この羽のふわふわ感…たまらない〜!
「話になんないよい。っと…これでもいいかい?」
『ッ急に戻るなんて…//』
不死鳥になったマルコをモフモフしてたわけだが、急に戻られたらただの男性に触っていた痴女みたいなことになる。
「俺としては嬉しかったけどない」
『ふざけないで…で、なんで私マルコの部屋で寝てたわけ?』
「やっぱり…昨日のこと覚えてるかよい?」
『お酒をみんなから入れてもらって飲んでたのは覚えてる。あれ、そっからどうやって…ここまで??」
頭の中の記憶をどう整理しても、やはりどうやって帰ったのか出てこない。
『…あーだめ…頭グルグルするー』
「ったくよい。ほら、水飲めよい」
『ありがと…』
「薬もあるがもらってくるかよい?」
『このグルグルが治るなら…』
「よい。」
マルコは部屋から出て、医務室に向かって行った。
Side.Marco
宴も朝方まで続いてようやく終わりを迎え、俺たちはそれぞれ部屋に帰って行った。
「とは言ってもベッドにこうも警戒なくなられると困るよい…」
布団がめくれ、その下から白い肌が見えている。
「こりゃ、早く部屋を作らせるかねい。」
そう言って俺は不死鳥に変化した。少しでも自分のために意識を逸らした。
『んー、あったかい…』
不意に伸びてくる手を掴んで抱きついてしまいたい衝動に駆られたが…ここは大人の対応をしようと無心でその手に抱かれて眠りについた。
『いたた…なに…』
ようやく目を覚ましたのか、俺の上で動いた気配に重いまぶたを持ち上げた。
「二日酔いだよい」
そう声を出すと、驚いた顔でこちらを見ていた。昨日はあんなに抱きついてなのにな…なんて思っていると事はあろうにアンは俺の体をモフモフと触り始めた。なかなか止めない手にいたずら心から元の姿に戻ると赤面をして下を向いてしまった。
昨日のことを尋ねても案の定覚えておらず、とりあえずその痛む頭に薬でも持ってしてやるかよい…と部屋を出た。
「こんな朝も悪くないねい…」