【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第76章 再会の宴
Side.Marco
アンを抱き抱えたまんま、向かったのは俺の部屋。サッチの部屋なんて連れていくわけないだろい?
ベッドに下ろしてやったが、首に巻き付いた手は離れない。
「おい、アン…離せよい」
『んー、まぅこ…』
だんだん近づいてくる顔に俺は理性をなんとか振り絞って、顔を避けた。避けるとそのまま抱きつく形になり、耳元で聞こえるスースーという寝息。
「タチの悪ィやつだよい。」
ゆっくりと下に下ろすと、ベッドの布団をかけてやる。
『んー、まぅこ…好き…』
「ッ!!!////」
起きてないところ見ると寝言だろう…くそ。
「そう言うのは起きてる時に言って欲しいもんだねい」
2年前に比べて短くなった髪をゆっくりと撫で、額にキスをすると嬉しそうに顔を綻ばせていた。
「くく…明日が楽しみだよい。おやすみ、アン」
これ以上遅くなるとからかってくる奴がいるだろう(主にサッチやイゾウ)からさっさと甲板へ戻った。
「で、どうだったんだ?」
「何にも…なかったよい」
「ほんとかよ」
疑うような視線を向けるエース。
「何が言いたいんだよい」
「顔…赤いぜ?」
「ッ…!うるせェよい!!」
「グララララッ!!なんだァ?マルコ、嫁でも見つかったかァ?」
「違ェよい!!」
「違うのか?」
「アンちゃんは嫁じゃないと…」
「ふぅん」
「お前ら…からかってんだろい」
そう声をかけると、ニヤリと笑う奴らが多数。これだから…。
「エースがアンちゃんのキスは腰が砕けるくらいうまいって言ってたぜ?」
「そんなこと言ってねェだろ!?」
「そうかい…そりゃよかったねい」
「あ、もしかしてお前もしてき「そのま魔海に沈めてやろうかい?」…いや、まじで死ぬからな!俺!」
「は?サッチは泳げばいいじゃん」
「泳げなくなったのー、俺!」
「「「は??」」」
「グララララッ!サッチも今日から能力者だァ。面倒しっかり見てやれェ」
「親父、俺は溺れないって!」
「え、なんで!?どっから!?」
サッチに話題が変わり、少しホッとした。あの顔、声、言葉は俺だけが知ってればいいんだよい。
「今度から、むかついたら海に落としてやるよい」
「だーかーらー、それは死ぬから!!」
「グラララッ!!」
「ちょ、親父も止めてくれよ!!」
宴は夜明けまで続いた。