【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第76章 再会の宴
Side.Ace
酔っ払ったアンをからかってやろうと声をかけた。
「お、アン、今日は酔ってんのか?」
『エース〜、よっれらいよー』
その返答は酔っ払いのそれとなんら変わらなくて、ものすげェ酔ってるのはわかった。
「ベロベロだな…にしし!」
『エース…んー』
マルコの手を振り払い、こちらに手を伸ばしてきたと思ったら、首に手を回して抱きついてきた。
「なんだ?」
『エース…チュー』
そう言って、顔が近づいてきた。
「う、まっ…んーー」
“う、待て”…そう言おうとした声はアンとのキスに飲み込まれた。てか、触れるだけとか可愛いもんじゃない。こいつ…なんでこんな…舌入れてきてんだよ。
このままじゃ、やべェ…いろいろと…ムスコが…
「や、め…ろ!!」
『んー…おしまい?』
無理やり引き剥がすと、この顔だ。トロンとした目に紅潮した顔でこんなこと言われりゃ…普通なら、続けちまうぜ。
「「「うっ!!////」」」
『エース…おねらい…?』
案の定、続きを求める声を聞いた瞬間に理性を保たなかなった何十人が船室へと戻って行った。
「やめろ、俺のなけなしの理性を崩すなよ!」
いや、ほんと、我が妹ながらかなりの悪女…。今頃みんな寂しくしてんだろうな〜。
「馬鹿言ってんじゃねェよい。アン…部屋に戻るよい」
『んー、眠い〜、まぅこ、ぎゅー』
「よいよい」
腕を上げて甘えるアピールをされるとマルコは“悪くないねい”なんていいながら、アンを抱き抱えて部屋に戻って行った。
「で、アンちゃんのキスはどうよ?」
「あいつ…めっちゃうめェの…」
「ギャハハハハ!!そりゃいい!!」
「まさか、ドフィとそんな関係なったんじゃないさね」
イゾウの一言に周りが凍りついた。
「いや、まさか…そんなわけないだろ」
「腰回りとか変わってないぜ?イゾウちゃんよォ」
「確かになッてどこ見てんだよ!!」
「今頃、マルコに食われてたりしてな。」
「「「いや、それはない」」」
「は?なんでだよ!」
「マルコは流石に寝込み襲うような真似はしねェって。」
「まだ告白すらしてねェ奴にそんな度胸はないよ」
「どうだか…」
しばらくすると、マルコは顔を赤くして戻ってきた。
「で、どうだったんだ?」
「何にも…なかったよい」
「ほんとかよ」