【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第76章 再会の宴
マルコにある程度治癒してもらうと、痛んでいた体も動かせるようになっていた。
「親父のところいくよい」
『ん…』
マルコに連れられて医務室を後にすると、親父様の部屋に向かった。
「俺だよい。」
「あァ…入れ」
ガチャと開いた扉の向こうでは親父様を含め、エースやサッチ、他の隊長達が並んでいた。
「グララララ…随分久しぶりだなァアン」
『…うん』
なんて言えばいいのか分からない気持ちが込み上げていた。
「なんだァ?怒れるとでも思ってんのか?」
違うという意思を示すために首を横に振った。
「グララララ、馬鹿娘…俺ァあんときお前に助けられたみたいだなァ…親より先に逝ったときゃ、それなりに怒ってたがなァ…無事に帰ってきたなら…それでいい。よく戻ったな…娘よ」
『…ぅん、親父様ッ、ただいまッ!!』
「「「「おかえり〜!!!!」」」」
泣いてても笑ってても生きていればこそ…!!流れる涙は片方だけだけど…それでもまた会えてよかった。
「2年もいねェから寂しかったぜ!」
「特にマルコとエースとサッチがすごくしょげててさー!」
「仕事にならねェのなんのって!」
2年間の空白なんかなかったように話しかけてくれるみんなに安堵した。
「アン…その傷と目…説明してくれるかい?」
ワイワイとした雰囲気をマルコの一言でピシッと引き締まった。
「たしかに…その目は気になるさね」
「グララララ…話せェ、アン」
『ティーチとの落し前戦争…最後の時、生きていたティーチ達に総攻撃をかけられて。右目と…親父様のマークを失いました』
ギリッと歯が軋んだ音が聞こえた。
「見えてねェのか…」
『右目はもう何も見えない。でも私を拾ってくれた人が義眼を入れてくれたから…別にいい。マークだって彫ればいいから!』
暗い雰囲気を壊すようににっこり笑うと、つられて笑ったのは親父様だった。
「グララララッ!!不便はねェのか!!」
『ん、見聞色使ってるから日常は特に!でも、戦いは近距離が不便かな〜』
「そうかァ…というわけだしっかりフォローしてやれよォ。」
「「「おう!!!」」」
「安心しな、淡い緑もよく似合ってるさね」
「勲章だな!」
「さて、その次は…いまさっきの傷とその首元のマークについて聞こうかねい」
チラリとエースを見るがプイッと顔を背けられた。