【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第75章 決戦の地
「ヴィオラさん!?」
かすれた私の声に続くように出された言葉。
「レベッカ…!!何しにここへ!?バカなこと考えちゃダメよ!あなたを死なせたら、キュロス義兄様にも御姉様にも…合わせる顔がない。」
「じゃあ、お前は何をしにきたヴィオラ」
「ドンキホーテファミリーが崩壊するというのに…幹部だった私が…なんのケジメもつけないなんて、ムシが良すぎるでしょう?」
「そんなっ!?」
「私が死ぬからあなたが死ぬかよ!!“ドフィ”!」
「フッフッ…!!情熱的だな…ヴァイオレット」
ドフィと呼んだ彼女、ヴァイオレットと呼んだ彼…そうか…彼らにも何か関係があったんだろう…!
「あ、あなた!?大丈夫!?!」
『いい、から…ゲホッ…』
傷が痛い…けど、こんなのルフィに比べればなんでもない!ヴァイオレットは蹴りやナイフでドフィの足止めをしていた。
「もうやめて!!ヴィオラさん!!」
「ハァ…ハァ…ふ!!」
「10年…共にファミリーとして過ごしただけで俺が躊躇するとでも思ったか…?おまえを殺すことに…!!ヴァイオレット…俺は仲間の“失敗”は咎めない。だが、“裏切り”は許さねェ!」
ドフィは近くにいた女の子を操り、剣を取らせた。そして、ヴァイオレットに向かって攻撃を仕掛けた。
「や、やだよ〜、ヴィオラさん〜!!」
「やめて、レベッカを巻き込まないで!!」
『ッ剃!!』
剣を再び作り上げて、ヴァイオレットを繋いでいた糸とレベッカを繋いでいた糸を斬った。
『早く…連れて行って…ハァ』
「で、でもあなたが!!」
『早く行きなさいッ!!』
レベッカは泣きながらヴァイオレットを支えてこの場を離れて行った。
「なんのつもりだ?」
『…聞こえるでしょう?カウントダウンが。ゲホ…』
それは国内全土に響き渡るギャッツの放送。ドフィに喧嘩を売り、ルフィの回復を知らせる放送。
「お前にはほんとにがっかりだ…」
『ほんと残念…もっと早く知り合えたら何か変わってたのかな…』
剣を振り上げた時、目の前に現れたルフィ。
『ルフィ…ハァハァ』
「大袈裟な復活だな…かろうじて覇気が戻っただけ…立ってるのが精一杯だろ?」
「それは、お前も同じだろ!!!」
互いに荒い息をしながら立っている。先に攻撃を仕掛けたのはドフィだった。
『ルフィッ!!』
グサッと複数本の糸が刺さった。
『ッぐ!』