【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第75章 決戦の地
『あなたを倒すのは…ルフィなんだって。』
「てめぇは俺のことをバカにしてやがんのか?」
『そんなのしないよ。水薙刀…昔っからね…男の喧嘩には口出すなって言われてんだッ!!』
ドフィに斬りかかるが糸を使って止められる。
『フッ…ドフィも本気出してないじゃない。使わないの?覚醒』
「望み通り使ってやるぜ?」
地面が糸に変わっていく。ゆらゆら揺れる蔦のようなものが死体を押し除けてこちらへ向かってきた。
「死ぬんじゃねェぞッ!!フフフフフ」
『ニ双水剣』
覇気を纏い、二刀流で蔦を斬っていく。途中、斬りきれないものは腕や足を攻撃してきた。
「それで本気のつもりか?」
『ッグァ』
急に距離を詰めてきたドフィは私の傷を目掛けて蔦を伸ばしてきた。
「ここ、確か黒ひげの野郎にやられたんだよな?」
ぐちゃりと回されるように蔦が動く。
「アンちゃんよォ。俺はお前を気に入ってんだぜ?なのになぜお前は俺に刃向かってくるんだ?あ?」
『…ぅあ、ァ』
「俺をそんなに怒られせて楽しいか…お前達は本当に俺を舐めてやがる。」
『…舐めてるんじゃない…信じてるんだよ。ルフィをッ…グッァ』
「フッフッ…あんなやつを信じるとはな…落ちたもんだぜ?アン」
糸の蔦はいつのまにかドフィの手に変わっており、えぐられるように回される。
『ぅ…ッぐ』
「堕ちちまえ…俺はお前を家族にしてェ。」
『離れてッ!!!』
水の壁を作り、ドフィと距離を置いた。ボタボタと垂れる血は早く止血しないとなかなかにやばい…。
「で、アン…麦わらはどこにいったんだ?あ?」
『さぁ…しら、ない!』
「俺には勝てねェって分からないのかッ!!」
傷をえぐるようにわざわざ狙って蹴ってくるあたりほんとたちが悪い。
『水竜の舞!!』
「そんなのが効くか!ッな、んだ」
『私が操れるのは、ただの水…だけじゃないッ!!』
「海水か…ち、めんどくせェな。」
そう言ったドフィは立ち止まった。その時、鳥カゴの収縮する速度が急激に上がった。
「これは…“麦わら”を差し出せっていうメッセージだろ」
『ゲホッ…ドフィ、やめ…』
「あなたはじっとしていなさい。私がやるわ!」
私の前に立ったのはヴァイオレットだった。あんまり関わることはなかったけど…優しいお姉さんみたいな人だった。
『ヴァイオレット、やめ』