【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第75章 決戦の地
迫ってくる鳥カゴ…しかし町の中心へ行かずに反対へ走っていくものもあった。
「おい、そこのルフィの兄姉!!」
「おお、ノノロア!」
『ゾリくん!』
「ロロノア・ゾロだよ!!覚える気ないだろ!!」
「『ない』」
「くそかよッ!!って違ェ!!暇ならこの鳥カゴ止めるの手伝え!!」
「鳥カゴを止める?」
「あァ、押し返しゃなんとかなるかもしれねェだろ!?」
『そうね…じゃ、エースよろしく!サボ探してくるから!』
「はぁ!?お、おい!!?」
エースをゾリくんの方に放り投げて、私はサボの気配を探った。そんな中、放送が流れ出した。
[みな……聞いてくれ。ザザ…私は元ドレスローザ国王…リク・ドルド3世。今、この国で何が起きているのかを説明する…現国王ドフラミンゴの始めた“ゲーム”によって…この国は今逃げられない巨大な“鳥カゴ”の中にある。更にその凶暴な“鳥カゴ”は町を切り刻み収縮を続けている。突如降りかかった“現実”に感情がついていけぬまま、ただ命を守っている現状だと思う…だが、これは夢などではない!!]
『リク王…』
[そして今日起きた悲劇でもない!!私たちは10年間…ずっと…海賊の支配する、ドレスローザという名の“鳥カゴ”の中にいたんだ!!10年間ずっと…操られるままに生きる“人形”だったんだ…!これが現実なのだ!!だが、それももう終わる…!!誰も敵わぬと思っていたドンキホーテファミリーはこの国に居合わせた屈強な戦士達の手によって今や壊滅寸前!!ファミリーこ幹部たちはすでに全滅!!!打つべき敵はもはや、現ドレスローザ国王ドンキホーテ・ドフラミンゴを残すのみ!!!]
国王の放送に聞いっているのかみんなの足が止まっていた。
[相対するは海賊“麦わらのルフィ”!!!きっと彼こそが“鳥カゴ”を破壊してくれる男!!勝つも負けるもあとたった数十分!!!だから、なんとしても逃げ延びてくれ!!この縮みゆく国に誰一人押し潰される事なく…!!走り続けてくれ!!息が切れても!!足が折れても!!生き延びてくれ!!!希望はあるのだ!!!どうか諦めないでくれ!!]
泣きながら話すリク王…国民の声が響いてくる。
ーあと数十分…!!
ー走ろう!!にげるんだ!!
ーもう少しだ!!!
突如王宮のある台地に入るヒビ…まさかとは思ったがドフィがやられたのかな。
『いや、まだ…鳥カゴは消えてない』