【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第75章 決戦の地
過保護め…と叫びたくなる気持ちをなんとか静止して、今の現状をマルコに伝えた。
『と言うわけで、ドフィの能力の鳥カゴで中に入ることも外に出ることも不可能ってわけ。んで持って海軍大将、中将もいて、町は大混乱のパニック状態。』
[ここからでもその“鳥カゴ”ってやつは見えてるよい]
『そうなんだ…あんまり近くに寄ってもモビーは大きいから目立つし…もう少ししたらこれも終わると思う。』
[勘かよい?]
『いや、希望かな…』
[そうかい。んじゃ、もうちょっと待つように言っとくよい。こればっかりはどうしようもないからねい。]
『ん、また落ち着いたら連絡する』
[了解…無理はすんなよい]
『わかってる!』
ガチャンと切れた電話…周りを見るとサボがいなくなっていた。
『あれ、サボは?』
「なんか、彼女に呼び出されたみたいで…行ってくるって飛んで行ったぜ?」
『あ、そうなんだ。マルコたちも沖の方で待っとくってさ。』
「それよりよ…これ…動いてねェか?」
『だよね。…嫌な奴。』
私たちがこれと指差しているのは鳥カゴ…どうやらゆっくりとゆっくりと傘を閉じていくように収縮しているようだった。
『くる…』
王宮を見上げた時、バリバリと黒光の稲妻が走るような感じがした。
「覇王色だな…」
『こりゃ…後ろが倒れかねないな…と』
バチッと後ろに避難した国民を守るように覇王色を対峙させた。
「くそ…ほんと強いよな。お前…」
『エース…まだ使えないの?』
「いや、使える」
『じゃあ、代わりしてくれてもいいじゃん』
「お前のが久々に見たかったんだよ。」
覇王色の覇気ももう止んでいたので、見聞色を使い王宮の様子をみた。ボォッと上がる大きな炎。
「あ?」
『トレーボル…』
王宮が破壊されていく…残るドンキホーテファミリーはボスのドフィだけ。
「アン…ここもまずいぞ」
エースの言葉に後ろを向くと、ドンドンと鳥カゴが近寄ってきていた。
『これ、エースなら燃やせるんじゃないの?』
「さっきやったけど…普通の鋼鉄みたいな感じで燃えなかった」
『あ、やったんだね。じゃあ、海水でも無理か』
「俺はルフィを信じてる。あいつの可能性をな」
『ふふ、私も。』
迫りくる鳥カゴに国民は悲鳴を発しながら中心部へ避難していく。ルフィたちの戦いがついに王宮外へ持ち出され、町に降りてきていた。