【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第72章 三つ巴
喧嘩になりそうな雰囲気を壊したのは、派手なシャツにスペードと書かれていて、自慢のテンガロンハットは黒い布で覆ってある男。
『…変装下手かよ…』
「アンッ!!」
エースはただ空気を読まずに歩いていただけのようで、私が発した言葉に反応して、こちらに気づいたようだ。
「離れろよい…」
「お、マルコもいたのか。つか、俺に嫉妬か?」
「うるせェよい!!」
なんだなんだと騒ぎ始めている…選手たちはこちらをみ始めていた。
『目立つな…この2人。行くよッ!』
2人の手を掴み、人混みの中を超えて人通りの少ない道に出た。
『ったく…2人してなんで騒いでんのよ』
「マルコがいつまで経っても兄貴って認識をしないからだろ?」
「エースがいつまで経っても妹離れをしないからだろい?」
2人してまぁしょうもない理由を同時に言えたもんだ。
『それより、エース…』
「なんだ?」
『行かなくていいの?試合始まるよ?』
大きく鳴り響く放送はDブロックの選手を呼んでいた。
「あ、そうだッ!!俺はDブロックだったッ!!やべェ!!」
ダッシュで走っていくエースを見送った。
『さ、ルフィ探そ?』
「お前は自由だよい」
『海賊だからねッ!』
にっこり笑うとマルコも悪そうな顔で笑って返してくれた。近くにいる人に情報を聞きながら歩いていくと、外に面した廊下で誰かと話しているルフィがいた。(下手な変装しているが…)
『…マルコ、不死鳥に…』
「よい」
マルコに再び不死鳥になってもらい、肩に乗せるとルフィを飛び越えて向こうにいるデリンジャーと目があった。
『…まずいなぁ』
ルフィは未だに気がついていないようで、デリンジャーも違う目的があるようでこちらに近づいてくることはなかった。
『ルフィッ!!』
名前を呼んだ時、ドガァンッと大きな音を立てて、コロシアムまえの広場に砂埃が舞った。
『…ッ!!』
「何だ!!?」
「おい!!」
「トラ男ッ!!」
「ドフラミンゴッ!!!」
『おぅ…これはまずい。あれ、ローじゃん』
「また、知り合いかよい」
ドフラミンゴは倒れているローに向かって三発の銃弾を浴びせた。
「トラ男ォ〜〜ッ!!」
『ドフィ…ロー…』
ドフィはさも涼しい顔で野次馬として集まってきた国民に“こいつが今朝の「王位放棄誤報事件」の犯人だ”、“今退治した”と言ってのけた。